大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

するどさのとれた愛情

マイテ・アルベルディ監督『83歳のやさしいスパイ』(2020)。ほどほどにお節介な、それだけに溜めのあるドラマは生まれにくい、隣人愛あふれる映画を観たくて。 89分。尺も良い。登場人物たちは若者でないから「挫折した」とか「失った」といった断定よりは…

対立、断片化していく世界のこと。(それを「男」と「女」で説明すること)

シス・カンパニー公演『奇蹟 miracle one-way ticket』観る。1時間42分。 北村想によるシャーロック・ホームズのパスティーシュ。 人物と、場所が用意される。事件と出遭い、解決する。平易な構造を埋めていくのは衒学的あるいは雑学的な饒舌と、メタな社会…

〈這うようにして創り続けて来た作品と何度でも這いつくばって〉  黒田育世

『黒田育世 再演譚 vol.1』行く。演目は「病める舞姫」「春の祭典」。 ソロ作品「病める舞姫」は2018年の初演のかたちそのままに、鈴木ユキオが踊る。劇場リーフレットで黒田育世は〈同じ形で踊って下さるのをじっと見つめて、その差異から迷路の理由を学び…

鰍沢

第4回『三遊亭楽八独演会』。訪れて、江戸東京博物館が4月から休館に入ると知る。 演目は三遊亭楽八「千早振る」、春風亭いっ休「初天神」、楽八「宮戸川」。仲入りあって楽八「鰍沢」。 「鰍沢」の花魁だったお熊、「宮戸川」の若いお花。異なるタイプの女…