大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「噂が広がらないようにするには、噂をホントのことにすればいい」

『ピーチガール』(2017)。原作は上田美和の少女マンガ。キャラクターが魅力的だ。 口数すくなく、あいての内面には立ち入らない東寺ヶ森一矢(真剣佑)。 じぶんよりも他人を優先する岡安浬(伊野尾慧)。青春は騎士道だから、幸福に対して不器用である。 …

「先生は、おれがいなくても嘘を見抜けるんじゃないですか?」

『准教授・高槻彰良の推察』第4話。 微熱で寝込んでいる深町尚哉(神宮寺勇太)。夢うつつに、不吉な祭りの太鼓の響きと、訪問者の玄関を叩く音が混じる。真ッ直ぐな演出。台本。気持ちがいい。 看病にやってきたのはもちろん高槻で、持参のアイスクリームが…

「自分に酔う日があっても、いいんじゃない?」  神宮寺勇太

『anan』2021.9.1 伊野尾慧×神宮寺勇太。 いくつも表情をつくれる伊野尾慧がきれい。「ネイルってちょっと前までは女性がするものってイメージだったけど、最近はそんなの関係なく楽しめるようになりましたよね。今日の撮影はそういう自由な時代の到来を実感…

〈そうだ私 いつもその2つに分けてた 老と若 世界はその2つしかないみたいに〉

松本英子のエッセイ漫画『49歳、秘湯ひとり旅』を堪能。どんなフィクションにも書き手の実体験を伴ったリアリティは入りこんでいるだろうけど、そのうえで作家が透明になろうとするエンタメ指向もあり、エッセイでそれをやれば「ただのレポ」になってしまう…

(出た…! 粉もんになると出てくる奉行おかずちゃん…!)

オトクニ『広告会社、男子寮のおかずくん』第7巻。完結。 あたたかくって、品がある。大阪弁の小説を読んでいるようで好きだった。 おまけの4コマパートにでてくる「たこせん」大阪のそれは「えびせんにたこ焼きをはさんだやつ」で、「想像どおりの味だ〜…

「きみはもう、ここの人間だよ。ここのコーヒーを飲んだだろ」

ドラマ『准教授・高槻彰良の推察』、びっくりするくらいおもしろい。 いくつもの挿話を並走させぬシンプルな語りゆえに、原作小説からのコミカライズ、さらにドラマ化という整理、洗練が意味をもつ。佳く刈りこまれている。 「TV LIFE」伊野尾慧の「神宮寺君…

「ナイフを落とすと『男』が現れる スプーンだと『女』が フォークだと『男でも女でもない』だろう」

ロドリゴ・グディノ監督『恐怖ノ黒洋館』(2012)。82分。原題は「The Last Will and Testament of Rosalind Leigh」――ロザリンド・リーの遺言。 老女ロザリンド・リーのモノローグではじまる。この女性がこの世を去っていることは、すぐにわかる。息子のレ…

「服によってダンスがうまく見える、見えないっていうのが結構あって」  平野紫耀

『TV LIFE』2021.8.20 平野紫耀。官能的なだけではない。この笑顔。 撮影・干川修、中村功。 二年ぶりの『かぐや様』は「本読みの時から監督にたくさん相談しましたし、続編だからといって安心することはなかったです」。

情念がほぐれる。神は居る。

シルク博物館に寄ってから、とりふね舞踏舎『サイ Sai 踊るべき人は踊り、歌うべき人は歌え』。 ずいぶん前に足をはこんだときよりも、いくらか観る眼が養えていた。上演時間90分が、あっという間に経つ。 立ちどまること、うずくまること――身体的な凝縮、緊…