大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「これが九ヵ月前なら、わたしだって彼女の経歴に怪しい点があると言ったかもしれない……」

グレアム・グリーン原作の舞台『叔母との旅』。観るまえから涙があふれ、終演後にはボロ泣き。抑えられない。 映画でいうと『シラノ・ド・ベルジュラック』(1990)や『アマデウス』(1984)のような、堂々たる「告白」の物語。あるいは「告白」へと近づいて…

「ここはリーザ。チェルノブイリとおなじくらい退屈なところだ」

2000年の映画『相撲取りブルーノ』(Sumo Bruno)。前年にドイツのリーザで開催された第8回世界相撲選手権大会の熱がさめないうちにつくられた物語。 主人公のブルーノは失業中の内気な巨漢。ジョン・ベルーシよりもMr. ビーンに似た印象。 朝から泡風呂に…

ニンジャバットマン ザ・ショー

『ニンジャバットマン ザ・ショー』観る。演出/構成は梅棒の塩野拓矢。構成・文化監修、音楽監督にHANZO。ダンスとラップ、HIP HOP な要素多めの2.5次元。 予習が必須というよりも、アニメ『ニンジャバットマン』の復習になりそうな。台詞すくなく敷居は高い…

孤独とあこがれと

『リザとキツネと恋する死者たち』(2014)。 舞台はハンガリー。日本の歌謡曲を好きな女と、フィンランド歌謡を愛する男。どちらもすこしはみだしている。 女の名は、リザ(モーニカ・バルシャイ)。愛読する日本の小説のヒロインのように、30歳になればハ…

駄菓子屋の豊饒

はえぎわ『ベンバー・ノー その意味は?』観る。会場は新宿シアタートップス。かつて新宿角座だったところ。 すこしずつ、なにかが無くなっていくと舞台でノゾエ征爾が言った。「ノゾエの『ゾ』がなくなってノエになる」と。 それは筒井康隆の小説『残像に口…