大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

実写、CG、おばけ

村上隆監督、『めめめのくらげ』(2013)。気安く出演して可笑しみや色香を振り撒く窪田正孝、斎藤工、染谷将太、塩澤英真らをキャスティング。主演の末岡拓人も佳い。その面貌には平たくも繊細なアジア的健やかさがある。 どんな物語もどこかで孤独をえがく…

「こんなんラッキーパンチやないかい。ラッキーでモノゴトがくつがえるか!」

「きょうはついに一発殴り返せたね。記念すべき日だよ。帰り道だって泣いてなくて、ずっと怒ってた」 映画『いけちゃんとぼく』(2009)。原作は西原理恵子。モノローグ、セリフのひとつひとつが胸に沁みる。 見えたのは、ワンピースいっちょで泳ぎまくるお…

「子供時代など皆おなじ。架空の記憶を寄せあつめて人格が形成されるとおもう奴は、ほかの自伝を読めばいい」  グレアム・チャップマン

『モンティ・パイソン ある嘘つきの物語 グレアム・チャップマン自伝』(2012)。3人の監督、14のアニメ製作会社による。つぎはぎなのはモンティ・パイソンらしくて好い。どのスケッチも〈セックスとバイオレンス〉に満ちている。 グレアム・チャップマン(1…

「卓郎のこと好きな奴なんて一人もいないんだよ!」

前作の須賀健太も愛しかった。この『青鬼 ver.2.0』ではいじめられっ子のシュン(タモト清嵐)、いじめの首謀者・卓郎(松島庄汰)、腰ギンチャクのたけし(勧修寺玲旺)、エキセントリックな秀才ひろし(中川大志)。シュン以外の、同性間の友愛が、狙って…

「平凡なものがタイミングよく二つ揃うと、それぞれ輝きだすことがある」

『シャーロットのおくりもの』(原題Charlotte's Web。2006年)。原作はE・B・ホワイトの児童文学、監督はゲイリー・ウィニック。どちらも丁寧で温かく、奇妙な作品をのこしている。 どちらかというと毒の効いた映画で、声の出演にはジョン・クリーズ(ヒ…

わたしは 雪となって 枝々からぶら下がる 谷の春のなかへと、 冷たい泉となって わたしは 風のなかを流れる、 濡れて わたしは 花たちのなかに落ちる 一滴となって、 そのまわりで 花たちは腐る 沼地のまわりのように。 わたしは 絶えず・死ぬことを・考える…

1989年、劇場版『悪魔くん』。冒頭から来ていたが、百目の「海って痛いもん。ぼくのおしりに噛みついたもん」という科白で完全にヤられる。テンポも、ユーモアも、登場人物の出順もみごとだわ。

〈高度な情報処理能力を身につけてしまった我々は、テーマとは無関係な大量の情報が詰まった映像をこそ求めている〉【Documentary】

〈'88年から「ホットドッグ・プレス」に二年間連載されたものを、'90年9月に単行本として編集した。'97年、それをさらに文庫用に編み直したのが本書である〉 いとうせいこう『ワールドアトラス (幻冬舎文庫)』。みんなだいすき悪魔の辞典というやつ。ルナー…

「俳優は領収書のような仕事。どんな経験も後で役に立つし、落とし込める」  菅田将暉

『AERA(アエラ) 2016年 5/16 号 [雑誌]』、表紙は菅田将暉。 小栗旬、成宮寛貴など共演する先輩俳優たちの顔には、表面的なかっこよさ以上に内面から情念がわき出している。「ライダー俳優」というだけでは、自分は使い捨てられるのではないか──。 不安を振…

〈母は官能的な生れつきであった。物の感触を愛した〉

村岡花子訳、パール・バック『母の肖像 (新潮文庫)』。 町じゅうの少年少女が砂糖天幕(シュガー・キャンプ)に集って、砂糖楓(メープル・シュガー)の汁をかき廻し、薪を添えて火を盛んに燃やす。大抵は雪がつもっているから、シロップが出来あがるまでの…

〈秋田は、アイマイより明晰な論理性を好む。「小説」のみならず、芸術的行為に時としてやむをえず必要とされる、アイマイさ、ねたましさ、暗さ、いいかげんさ、身勝手さのようなものは、秋田にない〉

富岡多恵子『漫才作者 秋田実』。 秋田實が26歳のとき、漫才師のエンタツ・アチャコは35歳と34歳。 「エンタツさんは、私の台本が出来上る度に、子供のように率直に感激した。私は私で、エンタツさんを喜ばせるために、夢中になって新しい台本を書いた。その…

フリーマガジン整理

ダイヤモンド社のリトルマガジン「Kei」2016年11月号、『論語と算盤と私』を著した朝倉祐介が〈事をなすにあたって何よりも大切なことは何か。私なりに考えるに、それは「旗を掲げる」こと、すなわち、自分の信念や大義を掲げて、周囲の人々に向けて発信し、…

〈はいてるの わすれちゃうくらい きもちいいよー〉

ツペラツペラ(tupera tupera)による『しろくまのパンツ』。ページにパンツのかたちの穴があって、つぎのページのパンツが見える。だれのパンツだろう、と期待がふくらむだけではなくて、おもいもよらなかったことまで起こる。 ねずみさんが だいすきって …

コント的なコスプレ、出オチ的なコスプレ、世界観を全うするコスプレ。

よしもと∞ホールに「R-1フェスティバル 2016」を観に行く。有名無名のピン芸人18人。進行はタケト。 よしもとの小屋ながらほかの事務所の芸人も参戦、テキパキとナマで素晴らしく、笑い転げた驚いた。 出演は順番やや忘却したが第1ブロック小森園ひろし、ル…

たとえ神さまいなくても

文シェリー・ダスキーリンカー、絵トム・リヒテンヘルド『おやすみ、はたらくくるまたち』。福本友美子。訳。 ひろい ひろい こうじげんばで せっせと はたらく くるまたち。 ビルを たてたり、みちを つくったり、 がんがん はたらく ちからもち。 はたらく…

恋愛について

野島伸司『スコットランドヤード・ゲーム (小学館文庫 の 2-1)』。 「もしかしたら愛とは、命の灯火が消えてからじゃないと分からないものかもしれない。花火のように、消えた後、そっと暗闇の中でしか」 「僕らが日ごろ愛と呼んでるのは、全て恋でしかない…

〈愛しているものや美しいもの、ずっととっておきたいくらい大切なもののいちばんいい保存方法は物語にすることだ〉

絵本についてのエッセイ、江國香織『絵本を抱えて部屋のすみへ (新潮文庫)』。 〈友情というのは厄介な代物で、言葉にするとたちまち空々しく鬱陶しくなってしまうのだが、だからこそ、正しく紙の上に写すことができたら、と憧れる〉など、絵本をとおしてだ…

2009年

野島伸司脚本『ラブシャッフル』。 「普通の人間達は、傷つけても構わない。実際、簡単に再生もするんだから」

縁あって

『らんまんラジオ寄席』公開録音に行く。2017年の1月8日と1月1日のぶん。 Wモアモア、寒空はだか、瀧川鯉昇。(1月8日) 青空球児・好児、桧山うめ吉、五街道雲助。(1月1日) 司会進行はTBSアナウンサー赤荻歩。局アナが出るような番組を観なくなっているか…

雑誌の後半にでてくるiKONもきれいだった

『anan (アンアン) 2016/12/7[恋の処方箋]』、Kis-My-Ft2の「恋するキスマイ」。 藤ヶ谷太輔が「男としては、自分が今持っているものがすべてなくなっても、一緒にいてくれるのかはすごく気になる。そう考えると、デートとかで『どこ行きたい?』と聞かれて…