大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

〈地球にうまれた生き物は、いつか絶滅する運命。むしろ、生き残ることのほうが、例外なのです〉

タイトルが良い。雑学系の、なんとなくヒキをツクる見世物小屋的胡散臭さではなく、着地しているタイトル。『わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑』。 章立てで、さまざまな絶滅がならんだあとに「絶滅しそうで、してない」。ウ…

刑事(成田浬)のばめん、演出がシュールで良かった。

B機関『大山デブコの犯罪』観る。ザムザ阿佐ヶ谷。 B機関を主宰するのは舞踏家・点滅。ゆえに舞踏パートは滅法良い。 点滅の腕や背なか、ほかの俳優の何名かもボディメイクを施されていて、これが現代的な意匠というか、ポップで繊細で、画家(吉澤舞子)に…

片桐はいりをサブカルに押しこめようとする力

オムニバス4編。合わせて40分ほど。『片桐はいり4倍速』(2009)。 1本目の「受験生」は、蒲田在住の受験生が片桐はいりをときどき見かける話。 「あ、片桐はいりだ」 生活圏が一緒なのだ。だからどうということもない。地元でよく見る芸能人。そのためにリ…

〈あまりに得体の知れないものに出会うと、喜びすら湧きあがる。狭く思えた地球が果てしなく広く感じられる。この世にはまだわたしが知らない味がある! そう思ったら、なにやら胸がときめいた〉

あくまでも出張中の横道道中である。しかも、はじめての作文。当たりはずれも大いにあろうが、福袋をあけるような気持ちでお読みいただければ、とても幸せである。 片桐はいりの本を初めて手にする。吃驚した。絶品。映画『かもめ食堂』の余録のようなかたち…

たまに日之出出版のまえをとおる

こわいサンタクロース

フィンランドの映画にはおおむね生活がある。 経済と、貧しさ。それを強調するように家庭は不幸。 ダークファンタジー『レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース』(2010)。採掘をしていたらなにかがでてきた、というかそれこそが目的だった。現場ではそ…

「底意地がわるくて、つめたい子。わたしを愛していないのよ」

『フィンランド式残酷ショッピングツアー』(2012。ロシア。フィンランド。監督ミハイル・ブラシンスキー)。手持ちカメラによる一人称映画。その形式を確立したのがホラーゆえ、そちらに寄り添うかたちだけれども、家族映画。母子のロードムービーといった…

「他人に利用されたまま終わっちゃダメだ。きみは利用された。騙された。だったら、一撃喰らわしてやろうじゃないか」

2012年の映画『マディアおばさんのドタバタNY事件簿』(Tyler Perry's Madea's Witness Protection)。原題のまま、怪しい字幕のやつをアマゾンで観たがいつの間にかに邦題ついてた。VHSならぶレンタルビデオ店でみつけたら、迷わず借りるタイトルだ。 出演…

〈丹下左膳とターザンは、洋の東西で期せずして現れた似たような存在であった〉

色川武大『なつかしい芸人たち(新潮文庫)』。タイトルがすでに懐古的だから、この書影の素ッ気なさが佳い。旧い単行本のように俳優の写真が使ってあると近づきにくくなる。 だれかを貶めるというわけじゃないけれど、批評には比べ、並べるところがある。た…

かれらの痩身 たびにでる

細めで筋肉質なのを美しいとかんじるので、キレてる筋肉よりもやわらかにみえるもののほうがいい。 『特別付録DVD付 anan (アンアン)2018/08/15・22 No.2114[愛とSEX]』、西島隆弘。 こういうカラダがメジャーになっていくと、健康のためにと突如ジム通いな…

伊野尾慧とジュノ。二人とも1990年生まれ。

『Hanako (ハナコ) 2018年 8月23日号 No.1162[ひんやりスイーツと、夏の男。]』、コンビニで表紙に射抜かれ、気の利いたことも言えない。伊野尾慧は表現力が日に日に増していっている。 2PMのジュノ(JUNHO)が載っていたのも嬉しかった。受け答えも巧みで。…

「なかちゃんはさー なんで映画同好会入ったの?」「……ウチの大学LGBTサークルあるの知ってる?(……)会員募集の張り紙のノリが……合わなくてさ〜」

新井煮干し子『もらってください (EDGE COMIX)』。マンガとして、自立している。ムダがない。登場人物けっこう会話してるのに、時間の省略きちんとしていて、動きがあり、喜怒哀楽もすごい。 モテることとあんまり縁なく過ごしてきた希介。女の子にとてもモ…

ド変態がすべてを呑む。

清潔な絵でがっつりエロい。そういうリアルもある。 碗島子『せまい。 (バンブーコミックス Qpaコレクション)』。売れっ子漫才師を目指す「せまい。」の二人、ヨイと塩。ネタ合わせは公園でするけれど、かならず見に来るあやしいおとこ。 ヨイは芸人の強心臓…

〈ニシン漁の最盛期を懐かしむ老人のように遠い目をするおにぎり。彼もまた北海道出身である〉

芸人のツッコミよろしく比喩が多く、有り物でキメてくるところは、水道橋博士に近いかもしれない。若き日の古舘伊知郎のような造語の掛け算はすくない。 山田ルイ53世(髭男爵)『一発屋芸人列伝』。挙げられるのはレイザーラモンHG、コウメ太夫、テツandト…

〈かつての絶対王者が自ら破滅していく姿をみんなが見て見ぬふりをした〉

加藤シゲアキ『チュベローズで待ってる』。2巻本。上巻は主人公22歳、雑誌に連載。下巻は10年の月日が経過、書き下ろし。上巻と下巻で毛色がちがうので、映画ならば2本つくるというような。 つぎからつぎへと事件が起こる。つながりはあまりない。この雑駁さ…

おどろきのいまどき

池袋の竹内涼真写真展、入場できそうな空気だったらチャレンジしようとおもっていたが(グッズが欲しい)、とてもそんなかんじではない。 「会員制」だった。 それでも未練はのこり、大阪に遠征しようかと悶悶。

愛之助、しゃべりのリズムが抜群。愛しい。

片岡愛之助と麻布十番。『裸の少年』、那須雄登、藤井直樹、岩崎大昇。 悩んでも悩みごとって、解決しないから「悩みごと」じゃない? そこにずうっとこう、執着してても、ものごともまったく進まないから、これは仕方がないと。 おもって、つぎへ、つぎのス…

「男はチンコ揉まれりゃ硬くなるに決まってんだろ」

トリメ『五臓六腑の恋 (バンブーコミックス moment)』。深夜から始発前まで営業する食堂の店主(若い)と売れっ子ホストの物語。 アクロバティックな着想とか、急展開というのはない。初コミックス。マンガの技術は平均以上。 食堂店主はゲイで借金抱えてい…