大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「人間、どこかで寂しさを持っていないと人間になれないでしょ」  鬼海弘雄

平凡社。写真家・鬼海弘雄の対話集。となりに山岡淳一郎。 「はじめに」で鬼海は〈自分の歩幅を守り続けるのは、簡単なようで難しい。どのようにして歩幅を保ってきたかは、それぞれの対話に語られている。キーワードの一つは「旅」だ〉と記す。ゆるやかなが…

「映画はまだ慣れません。余裕なんてなくて、がむしゃらにやっています」  平野紫耀

『Komachi』2019.9。女性的にしっかりしたメイクが、アミ・アレクサンドル・マテュッシのおおきな薔薇のセーターと合う。若くて、清潔。セーターの価格は10万円ちょっと。 “岸優太くんにジャンケンなしでおごらせたい” 岸くんは先輩なのにジャンケンで負けな…

「地球に隕石が衝突したはずみで毒ガスが発生した。ガスは毒の雨となって海に降り注いだ。(……)戦う前から詰んでいたのだ」  モササウルス

『続 わけあって絶滅しました。』丸山貴史、著。絵はサトウマサノリ、ウエタケヨーコ、北澤平祐。監修、今泉忠明。 絶滅を引き起こす最大の理由。それは「環境の変化」です。 (……) 「強い」「弱い」は環境によって変わります。 だから、どんな生き物が生き…

電車を乗り換えるときに、買った

King & Princeが載った『andGIRL』2018.11を買ったという記録はあるのに、ひらいた記憶がない。いつからじぶんの時間をとれなくなってるのかわからない。ジャニーズに触れていないと思考が、ことばが欠けはじめる。 『andGIRL』2019年10月号。あかるい笑顔。…

「トオルってさ 言いたいことあると黙るよな いつもすごいしゃべるのに」

行為をえがかないBLかな、とおもって読みはじめた。 絵は、写実的ではないけれど色気がある。骨が太く、おとこの膚の匂いがする。タイトルは『てだれもんら』。手練の者たちということだ。日本の料理人と、庭師。 週末に、ひとつの部屋で寝るものの、えがか…

「売春婦がつぎつぎにころされる 事件が クリスマスシーズンに起こった」

『ロンドン・ロード ある殺人に関する証言』(2015)。 2011年初演のミュージカルを映画化。スリリングなつくりに、にやりとする。 イプスウィッチ連続殺人事件と検索すればでてくる実際の事件、その狂騒や差別がすぐ目のまえのことのようだ。 えがかれるの…

「じぶんの死を想像して生きようともがけば、どんなことでも成し遂げられるはず」

「体当たりの演技が売りじゃなかったのか」 「演じることが怖いから、何にでも挑戦しただけよ」 『ファング一家の奇想天外な秘密』(2015)。原作はケヴィン・ウィルソンの小説『ファング一家の奇想天外な謎めいた生活』。 なにしろキャストが佳い。ニコール…

〈霧のなかでは 秘密の友だち〉

音楽劇『あらしのよるに』観る。 主演は渡部豪太(ガブ)と福本莉子(メイ)。オオカミのリーダー・ギロに高田恵篤、おばさんヤギに平田敦子。 演劇は、おもしろい。高田恵篤のようにアングラを演り、シェイクスピア劇(それも、野村萬斎の)を演り、ファミ…

「誰もいない海に行きたいです」  新田真剣佑

きれいというのは、おちついていて、あどけないこと。そのあどけなさを青年期にも温存している。 『Ray』2019.9。表紙と記事に、新田真剣佑。 新田真剣佑の記事に触れるたび震えるのは、インドアなのに交遊をひろげているところ。好奇心旺盛。それを、あちら…

「これ、食えって?」

コナリミサトの原作は、ひとつのばめんに「いやなこと」と「いいこと」を盛りこんでくる。そのために物語は途切れない。事態が好転するのを信じて読み進める。 誇張をしなくてもヒトはイビツで、だからヒトと触れあうセックスや恋愛には抗しがたいものがある…

「木南さんのせりふに『寝顔が美しい』とあるので、最近パックもしています(笑)」

家事に類することがひとつ片づいたので、深夜のコンビニに行って雑誌を購入。 『テレビライフ首都圏版 2019年 8/2 号 [雑誌]』と、『MORE(モア)2019年8月号 付録:uka 美髪パドルブラシ』。 『TVLIFE』の山田涼介がとてもきれい。山田涼介を好きな友人が、王…

「半人前でも、三人揃えばなんとかなるっしょ」

週末のお楽しみ、大野拓朗主演のドラマ『ベビーシッター・ギン!』。あつかう世界が嘘でなく、陰惨でもなくがんばって生きようという気になる。 第3話。脚本、嶋田うれ葉。 公式はネタバレを避けているけれど、捨て子をめぐる凄い話なので、大胆に告知するの…

アレクサンドリア、世界の結び目。

「ナショナル・シアター・ライブ」の『アントニーとクレオパトラ』(2018)、二人の死が語られるラストを冒頭にもってきたので、おどろいた。そういういじりかたを、予想していなかった。 『アントニーとクレオパトラ』が書かれたのは四代悲劇のあと、比較的…

あのドラマのまえに、これ。

原作を知らず、「LGBTと女装をあつかったテレビドラマがここにも」とあなどっていた。 かるく第1話をチェックするだけのつもりだった『ベビーシッター・ギン!』、脚本にも俳優にもユーモアと包容力があって、観ていてアタマがショートする。録画視聴を一旦停…

「美しいと感じるものはなんでも好きです」  萩尾望都

萩尾望都の『芸術新潮 2019年 07月号』と平野紫耀の『美ST』を購入。ジャニーズにもとめ、推したくなるのは萩尾望都的なキャラクターの真ッ直ぐな感情と、社会と接触したときの歪みと、身体能力に由来する挟持なのだと得心する。 なによりも先ず、萩尾望都。…

JUST BE JOYFUL

スペースシャワーTVプラスの「コリアンヒッツ」をながしていたら、きれいな、淡くするどい二人組のMV。眼をうばわれた。JBJ95の「AWAKE」。 JBJ出身の1995年生まれ。キム・サンギュンとKENTA(高田健太)。 しっかりした、男っぽい貌のほうがKENTAかとおもっ…

永瀬廉  「平野紫耀とは『戦友でしかない』」

『ノンノ』2019.8。King &Prince目当てで買ったのだけれど、雑誌としての充実、旬をピックアップする巧さが先ずある。 旬のひと。kemio。ノンノモデルたち。ふわふわと、謙虚である。モデルたちが「最近のカルチャー活動」として紹介するアーティストや小説…

〈学生の時に言われた言葉たちは本当に尊いのだ〉  さいあくななちゃん

トークライブ「芸術ロック公演」(ワタリウム美術館、オン・サンデーズ)行く。『芸術ロック宣言』の現代芸術家・さいあくななちゃんと、装丁を手掛けた川名潤によるイベント。あまりに率直で、何度も胸を衝かれた。 さいあくななちゃんはこの本に命を懸けて…

〈あそこにも ここにも しずかに しずかに しんでいる せみ〉

伊藤比呂美 文、片山健 絵『なっちゃんのなつ』。 ともちゃんちに あそびに いったら だれも いなかったので なっちゃんは ひとりで かわらに でかけました 書きだしから、やられる。はじまっている。詩は、こどものつくるぼうけんものがたりに近い。 省略も…

「わたしの名前は『病気』です」

リオフェス2019・吉野翼企画『疫病流行記』(北千住BUoY)を観る。 寺山修司、岸田理生の共作である『疫病流行記』。《見世物の復権》という言葉に倣えば、ここでは《疫病》の復権が目論まれた。流行りの病いを隠喩として呼びこむのでなく記憶、潜んで在るも…

「母さんを困らせて、じぶんが困っている」

ことばにできるような、はっきりした理由があるわけではなかった。井上ひさしの『化粧』を観なくてはとおもった。やっていた。紀伊國屋サザンシアターで観た。 『化粧二題』。「化粧」という一人芝居を、有森也実と内野聖陽がそれぞれ演じる。〈合わせ鏡〉の…

〈トリックのセオリーは 既に出尽くしている 手品業界と同じで 後は「応用」と「新素材待ち」だ〉

『マイホームヒーロー』との出会いは7巻の表紙。きれいだなー、かっこいいなーとおもって読みはじめた。 6巻までの表紙はおじさん(主人公)で、だから手に取る機会もなかった。 山川直輝・原作、朝基まさし・漫画の『マイホームヒーロー(1) (ヤングマガ…

黒白(こくびゃく)。加わるのは赤。

舞台『黒白珠(こくびゃくじゅ)』観る。シアターコクーン。 チラシの「あらすじ」を読むかぎりでは大江健三郎や中上健次えがく第一次産業の男の野心や精力、恥辱に失墜といったものを想起したが、そうではなかった。時代設定は1990年代、佐世保の真珠をあつ…

〈どんなに努力しても、差別化されていないものは、お客さまから支持されず、競争に勝つことはできません〉

〈Part1では、私が実際に訪れたお気に入りのホットケーキの名店を紹介しました。気が向いたら、ぜひお近くのお店を訪ねてみてください。 たんなるガイドブックであれば、それでおしまいなのですが、そこで終わらないのがこの本の変なところです〉 遠藤功『「…

〈激しい愛は、理性のカケラも残さずに疾走する〉  『マクベス』

「はじめに」と「おわりに」が率直だと嬉しい。まちがいなく心にのこる読書となる。 小川絵梨子『シェイクスピア 愛の言葉』。対訳の、引用集だから「はじめに」「おわりに」を紹介すると魅力のすべてをならべてしまうようなものだけれども、それくらいで褪…

「あの子は、おしまいの気分が好きだった」

少年王者舘『1001』観る。作・演出、天野天街。 新国立劇場・演劇芸術監督となった小川絵梨子が招聘した。1978年生まれの小川絵梨子が、1960年に生まれ、1982年に少年王者舘を旗揚げした天野天街を呼びこみ、これまでとはちがった客層に触れさせる……。 『100…

「最先端のトレンドが集まるだけでなく、日本の伝統文化も体感できることが東京の魅力ですよね」  京本大我

平野紫耀の『東京ウォーカー2019年4月号』、Hey! Say! JUMPの『東京ウォーカー2019年5月号』と、つづけて買ったら習慣化した。なんの前情報がなくても、コンビニで表紙をチラ見するようになる。京本大我の、新連載。「東京和奏」。 おっとりした素直さ。ガツ…

あくまのじてん。

『ViVi』5月号にKing & PrinceのA to Z。ちいさな辞書。 「B」には「バカ(笑)。6人それぞれみんなバカ。キンプリを一言で表すならバカ」と永瀬廉。かれらは、岩橋玄樹がいるはずの空白をかならず意識させる。それはすごいことだ。不在であるとかんじさせず…

「いつかその決めつけが、おまえを。大人になってから苦しめる」

『俺のスカート、どこ行った?』観ながら──脚本が若い、身体性をやや欠いている。性差や、年齢の描き分け。などとおもうけれども小説ではないのだからこれでいいのかもしれない。むしろもっと余白があっても良いのかも。 大倉孝二、小市慢太郎、荒川良々、い…

『少年たち』

映画『少年たち』観た。美しかった。胸を衝かれた。 物語の理想としては、環境から切り離された個性によってドラマが展開するべきだろうとおもうけれども、少年という概念は飢餓感や孤独を呼び寄せずにはおかないわけで、映画らしくいくらか話の筋をみせるた…