大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「相葉くんと料理してます!」

さすが相葉くんです! さすが相葉くん! といつもよりもずっと上ずった声で褒めちぎる佐藤龍我。佐藤の崇敬する相葉雅紀が「きょうは、おうちでできますから」と言ったから。言ったから。 『相葉マナブ』「マナブ! ご当地うま辛麺!!」の回。何度も観てる…

『年下彼氏』から、モラル脚本回。

創作論、というか実作者の志を科白することに振り切った『真夏の少年』第5話が凄くて、この回の脚本を担当したモラルによる『年下彼氏』をあらためて周回するなど。 『年下彼氏』第2話は「ちゃん付けで呼びたくて」(小島健主演。監督小野浩司)。学校からで…

きっとだれもが偽善者で、メンヘラ。

『来る』(2018)、原作は澤村伊智(『ぼぎわんが、来る』)。監督、中島哲也。脚本は共同で中島哲也と門間宣裕、そして岩井秀人。リアリティ凄く、人物がくっきりとしている。「わかんねえす」と言ってる高梨(太賀)と「あたしばかだから」と口にする比嘉…

「来ないで。もう誰も信じない」

映画『サイレン FORBIDDEN SIREN』(2006)。監督・堤幸彦。 原作はホラーゲームだけれど、土俗的な部分もある怪獣映画だとおもったほうが、観易い。じわじわと、それでいて急展開する。ここでの恐怖は関係性や距離に属するものでない。空気である。 出演に…

不可解な恐怖は欠いていた

製作サム・ライミ、監督アレクサンドル・アジャ。愛着ある名だがどちらもスケールダウンしつつあり、『クロール 凶暴水域』(2019)も浸水した一軒家のなかでワニと戦う小じんまりしたもの。予告編ではわくわくできたんだけど。 ストーリーには挫折と和解。…

「この銀メダル、きみのだろ」「ちがうよ。だって、捨てたんだもの」

2013年の映画『君に泳げ!』。「国民的弟」であるウサン(イ・ジョンソク)と、天才肌のウォニル(ソ・イングク)。ウォニルはふざけてばかりいるが、そこに見え隠れするのは陰のある物語。 少年期のウォニルは金メダルだった。ウサンは銀メダル。時経て二人…

根本豊による『五月の鷹』。以来の、

夢精して目が覚めた。万有引力こわい。春風亭一之輔の『鼠穴』(「落語ディーパー」)聴いて、スズナリに行く。席に着くと舞台では高田恵篤が首に縄を巻いていた。『鼠穴』もそんな話だ。『鼠穴』の主人公は若いが、リア王みたいなものだ。なにもかもうしな…

魔痢子「何もかも、妄想なのです」

最後に生き残った者たちは激昂し、それまでは従順で高潔だった息子が父を殺す。禁欲家は近親者たちの肛門を掘る。淫蕩な者は純粋になる。守銭奴は金貨を鷲づかみにして窓から投げ捨てる。戦争の英雄はかつて命がけで救った町を焼き払う。上品な者は着飾って…

あでやかの可能性

『ザ少年倶楽部』「夏休みだよ! フレッシュJr.スペシャル」。 美 少年が好きなのでそのバディたる織山尚大は当然見逃せぬけれど、瀧陽次朗と山井飛翔の笑顔も愛しい。 なので久保廉、小田将聖、川﨑星輝、稲葉通陽、鈴木悠仁、山井飛翔、長瀬結星、瀧陽次朗…

アンチロマンの反対なのだ

ごあいさつ 去年・一昨年と大人数の芝居をたくさんやったので、「一人でどこまでやれるか」試すため、一人芝居をやろうと考えたのが昨年末。それからあれよあれよとコロナが広まって、世の中がすっかり様変わりし、この企画も大きく変わりました。本当なら作…

真夏の少年 金の夜

予告された『ちっこいMyojo』の表紙の衝撃。2020年9月号の『Myojo』表紙は美 少年。 佐藤龍我が愛しくてならぬ。骨格、体軀がしっかりしてきたいまも「かわいい」とか「きれい」といった観念を抱えているところ。きちんとアイドルしながらも自然とはみでるお…

〈本だけが、この世のすべてではなかった。金だけが人の幸せを作るのではなかった〉  出久根達郎

私は十五歳、中学を卒業するとたった一人で上京した。昭和三十四年三月三十日、と日付を覚えているのは、翌日が私の誕生日だったからである。従って厳密には十四歳最後の日に上京したことになる。 出久根達郎『逢わばや見ばや』。エッセイふうに短く区切られ…

佐藤龍我がでてきた夢のこと

夢のなかで、その夢を、夢の図書館に入れてあげると、言われた。

カムカムミニキーナ『猿女のリレー』

さいしょのばめんは、個人書店。わけあって全焼する。大変だ。関係者の死や、失踪。えがかれるの時空を超えた「リレー」だ。 カムカムミニキーナ『猿女のリレー』。浅草九劇経由で、配信視聴した。 天照大御神の岩戸隠れ。そのまえで踊った「猿女」・俳優(…

佐藤龍我が夢にでてきた。 書く間がなくて、ここで佐藤龍我の話はできてないけど、だいぶ好きみたい。

「誰も知らぬ所で犬のように死ぬ予感に、かえって心は火と熾えた」  石田波郷

もう、行くも戻るも手遅れの、どうしようもないぬかるみ未知に踏み入れた三十歳だったのである。賭けごとや悪い遊びをしないのが、唯一の救いというぐらい。 岡崎武志 岡崎武志『ここが私の東京』。『上京する文學』の続編にあたる。 紹介されるのは佐藤泰志…

複数の夜(ふくすうのよる)

ここにも、舞台のような演出、ある。 『おっさんずラブ-in the sky-』にも『彼らを見ればわかること』にもあった。説明兼モノローグが、ピンスポットを当てられた舞台上の俳優の如きものとして、あつかわれる。 ある種の仰々しさだったり、起こりつつある事…

「信じられないものは、事実じゃないんです」

大鶴佐助・大鶴美仁音ふたり芝居『いかけしごむ』観る。有料生配信。60分。 台本は別役実。街の深いところ、どんづまり。だれも訪れないようなばしょに女がひとりいる。そこに、逃げてきた男。 「ココニスワラナイデクダサイ」という注意書や「いのちの電話…

「ぼくの棲家は『東京』そのものである。これは今までのアパートよりもはるかに間取りが多くてゆたかである」  寺山修司

田山花袋や自然主義文学にこだわるうちに、辿り着いた。 中村光夫が「田山花袋」という作家論でこう書く。 「自然主義の勃興は文学の分野における『東京者』に対する田舎者の勝利であった」 岡崎武志『上京する文學 春樹から漱石まで』。〈三代以上続いた江…

「この自然界には、原因のない作用はありませんから」

配信サーフィン。鈴本演芸場の昼席をすこし観て、それから浅草九劇オンライン、柄本明の『煙草の害について』。 移動に時間をつかうことなく、つくられたものを渉猟できる。本や映画ではない。舞台でそれができるようになってしまった。 落語は、かなり厳選…

ケビン・コルシュ&デニス・ウィドマイヤー監督映画

リメイクされた『ペット・セメタリー』(2019)、出演はジェイソン・クラーク、エイミー・サイメッツ、ジョン・リスゴー、アリッサ・レヴィン、ジェテ・ローレンス。 スティーヴン・キング原作の、民話的古典。「忠告」や「禁忌」を越えてしまう物語。 恐怖…

「悲しみは、にんげんの自由をうばいます。関節炎よりも、もっと」

「脇道に反れるのも、手品もなし。薬物もなしです」 1906年を舞台にした『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』(2018)。20世紀初頭のコスチュームプレイということもあってか、画や演技に保守的なところがある。現在は観光スポットのウィ…

「『劇団を売らなきゃいけない』みたいなことを言い訳しながら、ホントはじぶんが売れたかったんだろうし」  三宅裕司

『達人達』、三宅裕司とレキシ。ナイツとハンバート ハンバート回から。 「劇団つくって。劇団だけじゃ食っていけない。みんなが食っていけるには、だれかが売れなきゃいけない、よし、じゃ絶対売れてやろうってことで、どんどん売りこんで、で、やっと仕事…

(天使が見たもの)

2019年の90分映画。邦題は『ゴーストホーム・アローン』。美 少年のように繊細なタイトルで、半角やナカグロの意味なんてことをかんがえてしまう。 暗闇が怖いおとこの子、ということ。そして外からの侵入者はいない。「ゴースト・ストーリー」でも『ホーム…

「仲良し一発屋芸人の3人」

『ボクらの時代』はリモート収録で山田ルイ53世(45)、コウメ太夫(48)、スギちゃん(46)。山田が「(リモート収録の)テストケース」、スギちゃん「どん底の、番組的にも危機的状況だから呼ばれたんだよ」。 それぞれの過ごしかた。2歳の子がいるスギち…

ジュリーとゼリー

韓国映画『クワイエット・ファミリー』のリメイク、『カタクリ家の幸福』(2002)。監督、三池崇史。作品内容が暴力的でもあるけれど、撮りかたもまた乱暴で、しかし手堅い。 三池映画は出来が良くないときもままある。それでいて、キャスティングはつねに魅…

日活ヤクザバンパイア

『極道大戦争』(2015)。主演市原隼人。監督三池崇史。小ネタのオンパレードでたとえば出番の多いでんでんがケーシー高峰みたいなホワイトボードレクチャーするとか、三池崇史のセルフパロディがいろいろあるとか(タイトルも中身も『妖怪戦争』なのだし)…

「かわいい」のこと

遅ればせながら、和山やま『夢中さ、きみに。』。書影はずいぶんまえから気にしていたが「手塚治虫文化賞(短編賞)とりましたよ! 試し読みもできますよ!」と年下の友人から推されるかたちで、やっと。 単行本は林くんが登場する4篇と、二階堂くんがでてく…

〈そして、兵営の外の世界のやりきれない暗さが、僕の皮膚をふたたび染めはじめているのに気付くのだ〉  吉行淳之介「藺草の匂い」

短篇集。吉行淳之介『焔の中』。えがかれているのは昭和十九年、二十年。敗戦まぢかの日本だ。 「僕」を形成しているのは虚弱な身体と、あこがれ。逞しい男性像へのそれはない。十全ではない身体が欲するのは、女体だ。 まさに吉行淳之介のテーマだけれども…

「おまえは学ぶことを怠るな。一日一冊は本を読みなさい」

ぼくはずっと バットは野球をするためにあるんだと思っていた。 投げられたボールを、 打つためにあるんだと… でももしかしたら 逆かもしれない。 もともとは ボールじゃないものを たたいていたんじゃないか? 吉野朔実(1959−2016)による『ピリオド』第1…