大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「残る者も 一つ所におられん者もおる それだけのこっちゃ」

神田ごくら町職人ばなし 〈一〉 (トーチコミックス)

坂上暁仁『神田ごくら町職人ばなし』。ナレーションや説明台詞に頼らず、絵によって見せる。第1巻の前半は、「コミック乱」掲載の一話完結型。ミニ番組のくっきりとした切れ味で「桶職人」「刀鍛冶」「紺屋」「畳刺し」。畳刺し以外の職人は女性だ。ページ数の幅もあるけど、「紺屋」に描かれた人物の迷いと解決が短編らしくて小気味好い。「畳刺し」は吉原の畳の張り替え、花魁と若い男の職人という取り合わせが落語のようなユーモアを生む。

後半は「トーチweb」に移籍して数話かけてのドラマとなり、熱くてしかも俯瞰のできる遠大な魅力が出てくる。「左官」。隠居が語りはじめるのは百年前の左官のこと。