大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

〈難民キャンプに通った。旅の技術とは無縁の、旅というものが少しわかった気がした〉  下川裕治

『旅が好きだ! 21人が見つけた新たな世界への扉』――「14歳の世渡り術シリーズ」の1冊。 14歳への短文ということで、舐めた仕事するひともいれば、真摯なひと、深くえぐってくる、ふんわりと仕上げる、講義調などさまざま。その読み味が大人としてはおもしろ…

情炎の相聞歌

おしゃれ紳士×梅棒『The Story ベランダカラミルモノガタリ』観る。そのあと花園神社で唐組『ビニールの城』を。 『ベランダカラミルモノガタリ』。おしゃれ紳士からは西川康太郎、池田遼、井内勇希、伊藤祐輔。 梅棒からは伊藤今人、遠山晶司、遠藤誠、櫻井…

あくまで身体表現としての、発話。

『WOW! いきなり本読み!』#1 。 脚本・演出は岩井秀人。今回の本である「ごっちん」にぶっつけで挑んだのは水川あさみ、上白石萌歌、皆川猿時。 台本を与えられ、指示を受け、意図を汲み、演じる。一人で何役も掛け持ちしたり、ばめんが変わればちがう役を…

6と5

『文豪少年! 〜ジャニーズJr. で名作を読み解いた〜』。 好きだった子をさらに愛でるようになったり、ここきっかけの出会いがあったり。 第6話の深田竜生に胸射抜かれた。それはさいしょの喫茶店から。 「ホントなんもないっすね」 「どうぞ、お好きな席へ…

嘘と、ささやかな多声。

「先生ワタシね、ワタシねじぶんが今しゃべったこと、じぶんが今しゃべったこと、次の瞬間忘れてるんです」 「困りましたねそれは」 「何が?」 笑福亭松枝「高津の富」。『新春揃踏 角座演芸づくしの会』(心斎橋角座 2021.1.1)より。 ドクターシリーズと…

「どんな大金よりも、私はお母さんの写真が欲しい」  ラフカディオ・ハーン

〈大学で民俗学を専攻した理由は、旅を続けたいからだった。放浪癖があった私は、小学校高学年の頃にはひとりで時刻表を片手に週末ごとに関東地方の史蹟や伝統的な町並みを訪ね、あるいは山歩きを楽しんだりして至福の時を見出していた。中学生時代には山梨…