『文豪少年! 〜ジャニーズJr. で名作を読み解いた〜』。
好きだった子をさらに愛でるようになったり、ここきっかけの出会いがあったり。
第6話の深田竜生に胸射抜かれた。それはさいしょの喫茶店から。
「ホントなんもないっすね」
「どうぞ、お好きな席へ」
「あのう。……おれ毎日退屈で。なんかこう……激しいのあります?」
よく通る、ぶっきらぼうな声。
まなざしや口の閉じかたに情感がある。言い淀んだり、噛んだりするその間もリアル。『ドラゴン桜』に出演中とか。追っていない。こことの異同を確かめなければ。
第6話「稲荷坂の秘密」。「『秘密』かぁ……。いいすね」
女装の話。
といってかんたんにキャラ変するわけではない。いつまでも、ためらいののこるのが好かった。それがラストに効いてくる。「まだ、足りない……」
中盤、どもる。ういういしさに痺れた。
「今日も女装してくるのかと思った」
「そのほうが よ、よかったですか?」
第5話「二百十日の二百十段」。安嶋秀生、好きなのだ。檜山光成、ふせえりと。もちろんイッセー尾形も。
男子高生二人のしゃべり。だらだらしたものになりがちなところを、軽快に。落語のような、タランティーノのような。
長回し。互いの呼吸や、台詞覚えを探りつつ進んでいるふうで快い。リードするのは檜山光成。安嶋秀生はふわふわしている。
「まさかァおれたちの煮玉子まで『闇の力』がね」
「大袈裟だって」
陰謀論への傾倒が男子高生ぽくてかわいい。相方の安嶋秀生は口のなかにあんぱんがのこっていつまでもモグモグ。
「根拠ないのがいいんだよ。ヘタにちょっと勉強できたり、スポーツできたりして、目立って過大評価されるといつか必ず『結果』ていう化け物に追い込まれるんだ」
「二百十日の二百十段」は何回リハーサルしたのだろう。
階段部の帰り道。あふれだす安嶋秀生の優しさが色っぽかった。