大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

2017-01-01から1年間の記事一覧

『ジャニーズカウントダウン 20周年記念 超豪華年越し生放送 2017ー2018』

よくかんがえるとなんともふしぎな番組が、つづいていることの仕合せ。 さいしょはV6、「MUSIC FOR THE PEOPLE」。それぞれがアイドルとしての品位を保っている安心のV6。剛健を愛しているので、2017年三宅健の露出は嬉しかった。 つづくKis-My-Ft2 「Everyb…

テギョン、フラゲ

韓国のバラエティ、リアリティ・ショーにずっぽり嵌った。いまも。 きっかけは『花よりおじいさん』で、タイトルのパロディ加減がむちゃくちゃだとおもいつつ観れば、骨太な感動の旅番組だったという。 知識や経験が、初めてのものと格闘する。好きな──小説…

オスカー・アイザックの演じたキャラクターくらいではメインを張れない群像性。そうでありながら対話劇。良きコスチュームプレイ。

『スターウォーズ/最後のジェダイ』観る。脚本、監督ライアン・ジョンソン。時代劇というよりはWWEプロレスか。スター・ウォーズやSFやアメリカンプロレスが表出する“人種のるつぼ”は時代と共に変わっていく。すごく現代的だった。多士済済であるためにスト…

ジョンヒョンの自殺にけっこうなショックを受ける。

DDTの、太子堂商店街プロレス行く。

忘年会。

「国境は関係ない。宇宙飛行士になりたいだけ」と、小学生のおんなの子たち

原題は「SPUTNIK」、ソ連の人工衛星スプートニクだ。地上は東西冷戦によって分かたれ、示威のためには宇宙を目ざす必要があった。 スプートニク1号の打ち上げ成功は1957年。アメリカによるアポロ11号の月面着陸が1969年。それから徐徐に、仮想敵国を意識した…

「おれの父親がもっとマシな人間だったら……」「いまのあなたはいないわよ。あなたって、学校や町の誰とも違っている。それはお父さんのおかげだわ」

じつはいま、「なにかが起こっている」…… 『モンスタートラック』(2016)、油井から未知の水生生物が飛びだし、2体は捕獲したものの、のこる1体はどこに? きっかけはこのようなかたちで、採掘する企業が「追う者」として物語ははじまる。高校生の主人公(…

「なにか困ったことがあるたび電話してたら日が暮れちまう」

『だれもがクジラを愛してる。』(原題 Big Miracle)、2012年の映画。実話。舞台はアラスカ、1988年、大統領はロナルド・レーガン。 コククジラの救出の中心に自然保護団体グリーンピース、というそれだけで拒否反応をおこすひともいるけれど、どんなもので…

〈たいていのことは画面で見せてしまうアメリカのTVニュースと、アンカーが表面的にすべてを語ってしまうニュースのあいだには、当然、大きなへだたりがある。アメリカが常に前者であり日本は後者だ、と言うつもりはまるでないし、ぼくの体験などきわめてせまい範囲のことだから、体験をそのまま普遍のようなものへ引きのばすことはしないけれど、まず見せてしまう画面と、ひとりの人が語ってしまう画面とでは、それをとおして見えてくる世界の複雑さが桁ちがいに異ってくることだけは確かだ〉

冬には雪にとざされて往き来はとうてい出来ず、夏でも歩いていくとなると普通の人にとってはたいへんな遠征となりかねないような場所に、きわめて個人主義的な理由によって悠々と住んでいる人たちが、アメリカにはたくさんいる。あの広い国のなかには、その…

〈最後に自滅してしまうと、書いていく意味がないわけで、自滅ではなく、解体でしょう。自己が解体するのです。自分というものを、いったん、白紙に戻してしまうのです。これもアメリカによくあるテーマですね。現実にも、頻繁にあることです。このシステムはうまく機能しないようだ、とわかったら、すぐにそのシステムのぜんたいを白紙に戻して、別のシステムでやりなおしていくというアメリカ式のやりかたが、こんなところでもテーマになったりするのです〉

片岡義男『個人的な雑誌 1』。個人的な、というのは「片岡義男による雑誌的なもの」の意でもあるし、個人的なチョイスということでもあろう。もしかすると読者とは距離があるかもしれないもの。 話は、植草甚一の思い出から。 「はじめて接する本の品定めを…

「世界を認識することは、ものに名前をつけることではありません。世界はいろいろなものの響きでできていると考えるのが、ホモ・サピエンスの基本的な感覚と思考です」

中沢新一『虎山に入る』。書影は、チベットの絨毯の図柄。内容はあっちこっちに書かれたものや、講演、インタビュー記事。 「悪」や「ノイズ」を肯定する。それも外界のことではなくて、内側のこととして。「人間の心の中には、もともとノイズが立ち上がって…

「森から出てこなかった男」

「片岡義男 全著作電子化計画」というのがあって、一編ずつ買うことができる。おなじ価格だがながいのもみじかいのもある。紙の文庫だと『スターダスト・ハイウエイ (角川文庫 緑 371-2)』に。「森から出てこなかった男」。 SFのような短編だ。現代に生きる…

「森から出てこなかった男」のまえに

『森の聖者 自然保護の父ジョン・ミューア (ヤマケイ文庫)』のあとがきで加藤則芳はジョン・ミューアと片岡義男のことを書いている。 〈ジョン・ミューアは、ヨセミテ渓谷に五年にわたって住みつき、広大なシエラネバダの山々をくまなく放浪した男である。私…

〈約束を破ったことがわかると、父は鞭打ちの罰を加えた。しかし、生来の自然好きの少年には、どのような罰則も無駄だった。鞭打ちの影におびえながらも、いつも父の目を盗んでは出かけた〉

山と渓谷社、加藤則芳『森の聖者 自然保護の父ジョン・ミューア (ヤマケイ文庫)』。 ジョン・ミューアの伝記。日本ではなじみがうすいからどの出来事も等しくあつかっている。少年時代、青年期、壮年、といった具合にどこまでも。 神秘主義者ではなかった。…

途中、いろんなひとと出会う。取材する。ときには共に歩く。

ジョン・ミューア・トレイル踏破のドキュメンタリー『Mile... Mile & a Half』(2013)。 およそ4週間かかる340kmの自然道。補給のための合流箇所もあるし、どんなハイカーでもチャレンジしやすい。仕事を休む必要があるけれど。 監督はジェイソン・M・フィ…

「祝 第50回! お座敷の上方舞と落語ではんなりと!」

『吉祥寺寄席』行く。第50回の由。 開演前に山戸朋盟さんによる歌詞解説。舞の「黒髪」「雪」「寿」について。 演目は春風亭一猿「松竹梅」、吉村昂扇の上方舞「黒髪」「雪」、一猿の「寿」も。 地方(三味線)には津塚美葉。 きれいな踊り、着物に三味線。…

「ここ…俺の部屋だよな…一瞬他人(ひと)の部屋のような気がしちまったが…」

(モーニング KC)" title="BOX~箱の中に何かいる~(3) (モーニング KC)" class="asin"> 諸星大二郎『BOX~箱の中に何かいる~(3) (モーニング KC)』。パズル、ゲーム、ルールの収拾がつかなくなって──規則から逸脱することのない物語も困るが──台詞の量が増えて…

「光二君は谷さんたちの時も手伝ってくれたし……その…頼りにもなるし……それから……」「ど真ん中ですか?」

諸星大二郎『BOX~箱の中に何かいる~(2) (モーニング KC)』。 「あたし 気付いてたんです あなた 実は 男が好きな人ですよね?」

「何かすごいことが起こってあたしの日常を吹き飛ばしてくれないかなと そんな風に思っていたんです」「すごいこと? お前 霊感少女なんだろ なら日常はすごいことばかりなんじゃないか?」

『BOX~箱の中に何かいる~(1) (モーニング KC)』。諸星大二郎のアンテナにいま引っかかっているものを、ひとつの箱のなかに入れて物語に仕立てあげる。短編でもなく、連作でもない不可逆的なホラーコメディ。全3巻。 登場人物の光二と惠がBL! といって読みす…

共依存すれすれ。サイコスリラーだから、その関係が壊れなければ先に進めないけど。

『ABC・オブ・デス』の一篇「Youngbuck」のことをずっとかんがえている。鹿狩り。銃と自然と残虐性。アメリカ人のなかには狩りにある種の興奮を見いだすひともいる。ハンティングにおける極度の興奮を性的な残忍さと結びつけるのは分析としてはありそうなこ…

「なぜ作家の写真は10歳若く見えるのか?」

『ミラクル・ニール!』(2015)、サイモン・ペグ主演、監督はテリー・ジョーンズ。会議する宇宙人の声にはジョン・クリーズ、テリー・ギリアム、エリック・アイドル、マイケル・ペイリンも。 物語として登場人物を信じるおもしろさに加えて、モンティ・パイ…

「自然学者のジョン・ミューアが言っているよ。『パン一切れを持ち、垣根を飛び越えろ』」「垣根のなかはぬるま湯ってことか」

ロバート・レッドフォード主演の『ロング・トレイル!』(2015)、監督はケン・クワピス、脚本リック・カーブ(マイケル・アーント)とビル・ホールダーマン。製作には(もちろん)ロバート・レッドフォードの名も。 原作はノンフィクション作家ビル・ブライ…

俳句 アニミズム 芭蕉×酒堂

中沢新一と小澤實の対談集『俳句の海に潜る』、ふたりともたのしそうだ。 ふたりを結びつけたのは細見綾子の〈そら豆はまことに青き味したり〉。歳時記では解説されることのない蚕豆(そらまめ)のもつエロティックな象徴性、俳句なるもののつよさ。 中沢 俳…

完成は死だが魂は続く

26編のオムニバス『ABC・オブ・デス2』(2014)、良かった。おもわず買った。 テーマは「死」。そこには酷薄もあるし不条理もある。監督のえらびかたが巧く、バラエティにも富んでいた。 さいしょに仰天したのが「Badger アナグマ」。自然をあつかう番組のパ…

低予算だからグロい。それをさまざまなお色気でカバーしている。

『ABC・オブ・デス』(2012)、「死」をテーマにしたAからZまでの26本、短編ホラー映画集。 肌が合ったものから言うと、女体をまえに自慰をして、先にイかねばころされるリーグ戦「Libido 性欲」(監督ティモ・ジャヤント)。しゃべるインコがにんげんの浮気…

名句いくつか

読者として、短歌にかたむく時期があったり、俳句にもどってきたり。 神秘とか、そとのせかいをながめているとふしぎと俳句がほしくなる。 そういうときにもとめるのは、口語や自己憐憫ではない。 外(と)にも出(で)よ触るるばかりに春の月 中村汀女 角川…

水木しげる『神秘家列伝』の「駿府の安鶴」は参考文献に石川淳の『諸国畸人伝』。 石川淳の描きだす駿府の安鶴は、江戸にあこがれるやんちゃな若者というかんじ。

「いつか誰かが言ってた 神様はあんまり四郎が可愛いもんだから 四郎の一部をもっていってしまった だから四郎は神様に近いのだと……」

水木しげる『神秘家列伝 其ノ四 (角川文庫)』。あつかわれるのは仙台四郎、天狗小僧寅吉、駿府の安鶴、柳田国男、泉鏡花。 話の運びが巧い。画も。 青年期の泉鏡花、幼年期の柳田国男がかわいい。同時代の二人だが、怪異への接しかたはちがった。 柳田国男『…

「DNAに蓄積してきたものが、僕たちにも伝わってるんだ」「トカゲであった頃からの記憶?」「陸上競技のトラックに立とうとする人間は、たぶん、物覚えのいい遺伝子を持って生まれてついてしまったんだ。追体験しようとしてるのさ。遠い昔の快感を」「セックスもおんなじ?」

1994年の映画『800 TWO LAP RUNNERS』。監督は廣木隆一。脚本加藤正人。 原作の小説は川島誠『800 (角川文庫)』。 川島誠は児童文学に《性》をもちこんだ野心的で魅力ある小説家であり、それが要るひと要らないひとで評価が分かれる。 映画も、のっけから体…