2017-01-01から1年間の記事一覧
とんねるず主演、森田芳光監督『そろばんずく』(1986)。 森田監督の映画には古典落語みたいなハナシと新作落語みたいなハナシがあるが、『そろばんずく』はもちろん後者。 あたりをやさしくつつむ円熟は、まだない。攻撃的な批評精神。それをひとは「わけ…
『妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』(2016)。 ケータ役の南出凌嘉とカンチ役の福田徠冴がかわいい。エンディングで踊りきる南出凌嘉を観れたことでこの長編の価値はあった。 物語としては、冗長で展開がすくない。登場人物全員チ…
俺は灰島かなで いくつかのアルバイトをかけもち 小劇団に身を置く25歳 恋人の森田勇紀はバスの運転手をしている30歳 舞台の上では老人にもなるし 幼児にもなる 時には女になることだってある 30だろうと 60だろうと 学生や子供になり切るし それが許される…
音楽やってる友人と、『植木等とのぼせもん』リアタイ。友人は浜野謙太を知ってるが、植木等のこと知らない。もちろん小松政夫も知らない。青島幸男もあやしいところ。 若き日の小松政夫(志尊淳)苦境の回。「身につまされる。観ていてくるしい」とは友人の…
なにが夢でどこで実現とするかはむずかしいところだけれど、音楽やってる友人が夢だかモチベーションだかを喪失して故郷に帰ると言う。バンド仲間への不満のようだ。あたらしい仲間をさがす気力が……。 故郷に帰ることはない。都会は退却するためにあるのでは…
「ズル休み以上でも以下でもないの ズル休みなの!!」 「なら‥‥今日休んでみて今どんな気分か教えてくれないか?」 「あのね‥‥店長の なんかそういう意味あり気な含蓄系のね‥‥味わうような話 今したくないの 悪いけど‥‥もう全身ささくれだってるから!!」 「深…
このマンガを薦めてきたトモダチは、天才だった。あるいは天才をトレスするのが上手だったというのかな。 そいつが、そいつ自身を石川凛にかさねて視るのは判った。ジャンルはちがうがおなじような上り下りと血縁関係。 おもってまわりを見わたすと石川凛に…
新井英樹『シュガー 6』。 「‥‥会長 私を都庁に追いやってプロテスト受験予定だった大林をひきずりおろしてまでして そのうえ ほんの4ヵ月も待てば受験有資格年齢17歳になる石川を年齢詐称戸籍偽造までして 急いでプロにさせた理由をお聞きしたい」 「ボクシ…
「『4次元ボクシング』だけどね‥‥」「いきなり本題っ!!」「そのためにわざわざ僕を呼び出したんじゃないの?」「あ‥‥れ もしかして‥‥ご機嫌ななめ?」「のこのこやって来た自分の若さに少し‥‥ね」「『のこのこ』させましたか?」「した‥‥ね」 新井英樹『シュ…
ステップインのスピードが一定 パンチの角度もリズムも一緒 それは当たらないよ 天才がある石川凛の青春期、だが、幸運なことに年長の天才と出逢う。 「どう思う? 関根さん」「はい?」「カレ『距離』ナメてるの?」 連れションを好む《絆》には同世代の切…
「私さ‥‥リンの言うなりだよね」「は? どっちかっつーと!! オレが千代の奴隷だべ!! 王様は千代様」 十代の恋愛だなあ。どちらも見誤っている。 新井英樹『シュガー 3』。 したっけ したっけ したっけ その男同士二人がなんかイイわけ!! 別れ際 なんかっ ジ…
新井英樹『シュガー 2』。 「欣二さんも‥‥スゴかったスよ‥‥全盛期 欣二さんにはオレ勝てないっス ヒーローだから オレが勝っちゃ 具合 悪いっしょ 欣二さんの拳にしたってね‥‥全盛期に比べたら見る影ないっスよ」 「ジブン勝てるゆうてんか?」 「う〜〜んん…
うちの子は、親をみつけそこねたのかもしれない。それを迷宮と呼ぶのかもしれない。
友だちに心配されて生きている。といって年下の友だちに分配できる時間や金があるわけもなく、痩せ我慢のダンディズムがこちらとあちらをつないでいるから言葉で問うたり答えたりはしない。 ぽつり、ぽつりとマンガを薦めてくる。 新井英樹『シュガー 1』。 …
『亜人』観る。いたいけな想像力で出来た物語。そこに乗っかってケレン味たっぷりに演じる綾野剛と、リアリズムで応ずる佐藤健。この対比は佳かった。 銃撃戦の凄さへと日本映画が進化していくのはマンガ原作が増えたためか。 深みのないキーワードをリフレ…
『ソウル・ステーション パンデミック』観る。韓国。アニメーション。ゾンビ映画。監督ヨン・サンホ。 しがらみや、執着。人間関係をしっかり描くからただの追いかけっこにはならない。その関係も正しさを説くようなものではなくて、DVのヒモがヒロインをま…
野嵜好美と宇野祥平がでている横浜聡子の短編『おばあちゃん女の子』(2010)は気がかりなタイトルで、さいごに参考作品として高野文子「田辺のつる」が挙げられれば成程すとんと腑に落ちる。 併せて挙げられるのが三好銀「夜の電車」。 「あのね…実はね、お…
ミシェル・ゴンドリー監督『恋愛睡眠のすすめ』(2006)。ものをつくろうとする若いおとこの奇矯さ。それが天然だけにつらいが愛しい。 ものつくるにんげんにかぎらないのかもしれない。愛情に飢えたおとこの手に負えなさ。 ステファン(ガエル・ガルシア・…
『俳優 亀岡拓次』と『恋愛睡眠のすすめ』の異同をみつけるのがたのしい。
2026年の映画、横浜聡子監督『俳優 亀岡拓次』。原作は戌井昭人の連作短編小説。 原作をもちつつも横浜聡子の映画になっている。だから、小説も読んだ。映画の脚本というのは、いくつもの短編をひとつにまとめるときに力を発揮するのかもしれない。小説の文…
友だちを無理矢理お化け屋敷につれていったら、数日して、江野スミを薦められた。お化け屋敷で行列しているあいだ散散暴力の話をしたせいかもしれない。 江野スミ『美少年ネス 1 (裏少年サンデーコミックス)』と『たびしカワラん!! 1 (裏少年サンデーコミッ…
モンストコラボで『七つの大罪』。全然知らないがバンに一目惚れして課金、ゲットする。 かるいチェックのつもりでアニメやマンガの『七つの大罪』に触れたら、おもしろくってビックリした。テキパキと大胆な筋運びだけでなく、ガッツリ恋愛をえがいている。…
「ごはんは?」「もう時間ないよ。きょうからこれまでみたいに甘くないんだから」「そんな慌てて。でも六本木なら間に合うんじゃないの?」「きょうは神谷町」「あら、旧社屋?」 このやりとりからゾクゾクする。街だ。今だ。 ゲンミツに言えばこの「旧社屋…
前略 お母さん お元気ですか僕は東京で友だち100人作ろうとしましたが 見事サぼっちになってしまいましたでも安心してください… イメチェンしたらゲイのおじさんにモテモテ! 東京での生き方がやっとわかってきた 博士『ごめんしたって許さない (gateauコミ…
『植木等とのぼせもん』、「俺たち戦友」の回。 理髪店で頭を洗われながら、胸に秘めている《解散》の可能性のこと口にする主人公(志尊淳)。いいばめん。手堅い脚本。 志尊淳の、柔軟でまっすぐな感情表現にただただ酔っていればいい。まわりの大人たちの…
腹話術人形と腹話術師の物語。2007年のホラー映画『デッド・サイレンス』。 あたらしいせかいをつくろうというよりも、これまでにあったせかいを完成させようとしている。 へんな話だけれども、ある種の共感を得ようとしている。監督ジェームズ・ワン。脚本…
鬱で仕事を休んでいる友人と、会う。そいつが言った。「ここ来るまえに、職場にも顔だしてきた」 「治ったのかよ」 「仕事せんと、友だちと会う資格もない。そんな気ィして」 いろいろ話したいことはありそうだけれど、集合場所が渋谷だったから、どちらもよ…
プロレスラーの入江茂弘選手を。 ミッキーマウスのキャリーバッグ。
「権威に対する反応が複雑。高圧的な《父》を喜ばせたいけれど相互的な愛が欠如していると、嫌がる」「彼は孤独のままでいい」 「皆、いつか負ける。面接の代わりにゲームで彼の心を探ります」「彼の感情に興味はない。強い指揮官になってくれればそれでいい…
『植木等とのぼせもん』第2話「植木さんの親心」。 小松政夫の自伝が原作だから、テレビにでているコメディアンとしての部分だけではない。植木等の付き人。さまざまな時間。にんげん。泣ける。 親子ってなんだろう。友だちとはべつの関係、ちがう流れを生き…