大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

(大空と大地の中で  松山千春)

シュガー 1
友だちに心配されて生きている。といって年下の友だちに分配できる時間や金があるわけもなく、痩せ我慢のダンディズムがこちらとあちらをつないでいるから言葉で問うたり答えたりはしない。
ぽつり、ぽつりとマンガを薦めてくる。
新井英樹シュガー 1』。


電子書籍で1ページずつ読んでいるけど、横にして見ひらき、あるいは紙で読むリズムのマンガ。転調、区切りが大胆でおどろく。
物語るときに時間を省略するのはかんたんだ。その際失神したように、夢見ることなくねむったように時間を経過させてしまうのか。もっとテクニカルに登場人物の内面を飛躍させることも可能なのでは? それを、新井英樹はやってくれる。石川凛という主人公がそれをもとめる。

リン・・・あなたは
勘ぐりに長け 勘の鈍い いわゆる「無神経」タイプだわ 敵つくるわよ

石川凛は、父を早くに亡くした母子家庭だとおもいこんでいた。しかし、生きているらしい。それをさがす物語ではないけれど、その欠落がすでに凛を形成していて、だから金銭面でクズな火の玉欣二との悪縁もつづけてしまう。
欣二の同棲相手がニューハーフの元プロボクサー。欣二のキャラクターが、怖い。