大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

思春期。あいてが標準でないことに困惑する。

僕が小学四年生の時、唐突に兄が性教育を始めた。 クワガタの繁殖に取り組み出した時だ。 セックスに興味を持ち始めたと思ったのだろうが大きなお世話だ。 まんだ林檎『ニューノーマル・セックス』。性教育と高校生。各話完結なので、お色気シーンが入るとド…

笈田ヨシ、米寿。

KAAT 神奈川芸術劇場にはダンスばかり観にきている。 伊藤郁女、笈田ヨシ『Le Tambour de soie 綾の鼓』。 能の「綾鼓」。演劇として翻案した三島由紀夫の「綾の鼓」(近代能楽集)。そこへダンス。“モダン能”となって世界をまわる。テキストは、ジャン=ク…

「さみしい音だが、匂いは佳い」

山田裕貴、松雪泰子の『海王星』。 「寺山修司が『天井桟敷』結成前に書いた未上演の音楽劇を新生PARCO劇場でついに初演!」とチラシに。古典と呼んでもいいが、若書きである。 物語から連想されるのは宮沢賢治『銀河鉄道の夜』やツルゲーネフ『はつ恋』。そ…

観客 「『犬殺し』って何ですか?」

演劇実験室◉万有引力『Ø 迷路と死海 ―演劇零年◉見えない演劇!―』。 台本は〈寺山修司戯曲集より〉。演出・音楽・美術はJ・A・シーザー。構成・共同演出に高田恵篤。 シアター・アルファ東京、こけら落とし公演として。久しぶりの高橋優太出演。さらには根本…

「もしこのまま漂流したらどうすんだよ。漂流教室みたいにさ。一番漂流してほしくねーよ、この教室」

扉座『ホテルカルフォルニア ―私戯曲 県立厚木高校物語―』観る。一夜だけの特別公演『山椒魚だぞ!』付き。 客入れから賑やかで、かつての劇場の期待とざわめき。祭りの匂い。豊富な物販を、ベテラン俳優たちが売っている。公演前の場内を売り歩く姿も。 去…

トゥンク ティモシー・シャラメ ほか

やまもり三香『うるわしの宵の月』第3巻。 「手を出してみて 好きかどうか確かめるって おかしいでしょ 順番逆でしょ」 「だってオレ 今までこんな プラトニックなの 経験したこと ないからさ」 キスが駄目なら手をつなごう。琥珀は提案する。宵は「――でも …

「試しにって どこまで?」

やまもり三香『うるわしの宵の月』第2巻。 たぶん 私は くやしかったんだと思う いつも いつの間にか 向こうのペースに はまっていて だから どんな顔をするのか見たかった なにも起こっていないはずなのに、なにも起こっていないはずなのに激動、疾風怒濤…

〈この男 王子というより ヤカラじゃないか〉

「このマンガがすごい!」から。やまもり三香『うるわしの宵の月』。第1巻。 ひょろりと伸びた体躯 やや低めの声 親ゆずりの男顔 滝口宵 高校1年 性別、女。 「王子」と呼ばれる少女と、これまた「王子」と呼ばれる少年の恋愛物語。あいてに対して突っぱっ…

はいゆうたちのいるところ

『ヒルコ/妖怪ハンター』(1991)。原作は諸星大二郎。監督、塚本晋也。 特撮、SF、ホラーへのオマージュもふんだんに、画がしっかりと怖い。 出演は沢田研二、工藤正貴、上野めぐみ。ユーモラスな部分を沢田研二が受けもつことで、怖くて可笑しい諸星大二…