大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

ダンス

〈此処を死場と定めたるなれば厭(い)やとて更に何方(いづかた)に行くべき〉  樋口一葉『わかれ道』

私は明日(あす)あの裏の移転(ひっこし)をするよ、余(あんま)りだしぬけだからさぞお前おどろくだらうね、私も少し不意なのでまだ本当とも思はれない、ともかく喜んでおくれ悪るい事では無いからと言ふに、本当か、本当か、と吉は呆(あき)れて、嘘で…

「♪この晴れた土曜に、グチャな、グチャな、グチャなものを見に来てくれて……偉い」  近藤良平

近藤良平、黒田育世『私の恋人』観る。演出、振付は二人で。初演は2004年。 黒田育世のダンスはどこで観ても悲劇過ぎず、喜劇過ぎず、おもしろい。それがふしぎだったけれども、幾度も再演されてきたこの共演作で謎が解けた。プロレス頭だ。 キャッチーな近…

〈這うようにして創り続けて来た作品と何度でも這いつくばって〉  黒田育世

『黒田育世 再演譚 vol.1』行く。演目は「病める舞姫」「春の祭典」。 ソロ作品「病める舞姫」は2018年の初演のかたちそのままに、鈴木ユキオが踊る。劇場リーフレットで黒田育世は〈同じ形で踊って下さるのをじっと見つめて、その差異から迷路の理由を学び…

笈田ヨシ、米寿。

KAAT 神奈川芸術劇場にはダンスばかり観にきている。 伊藤郁女、笈田ヨシ『Le Tambour de soie 綾の鼓』。 能の「綾鼓」。演劇として翻案した三島由紀夫の「綾の鼓」(近代能楽集)。そこへダンス。“モダン能”となって世界をまわる。テキストは、ジャン=ク…

〈街の空 空の街 空見れど 空見れど〉

少年王者舘『アサガオデン 劇場版』観る。 野外で行われたダンスパフォーマンスを、スズナリの劇場に。新たに落語を盛りこんだ。 振付・夕沈、演出・天野天街、音楽・珠水。生演奏・坂本弘道。落語台本・河井克夫。 呼ばれているのはアリスかとおもったら、…