大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

ザ・スズナリ

矛盾ではない。強さと弱さを併せ持つ人間たちの正直なぶつかりあい。

1995年、椿組プロデュースで上演されたとき、この作品は10年前に亡くなった友人Tちゃんに捧ぐ、という副題が付いていた。Tとは椿組の座長外波山文明さんの親友たこ八郎さんのことである。ボクシングの元日本フライ級王者であり、引退後コメディアンとして活…

〈姉が血を吐く 妹が火吐く 謎の暗闇 瓶を吐く〉

演劇実験室◎万有引力『盲人書簡◎少年倶楽部篇』観る。高橋優太回。今村博、三俣遥河も存在感を増していた。表現や、自負はこの時代だからつよくなる。俳優よりももっとゲンミツに、万有引力という括り。ここに帰属することの徴。 森ようこ、山田桜子、内山日…

「これより千六百年の休憩に入ります」

作・しりあがり寿、演出・天野天街。芸術監督に流山児祥。『ヒ me 呼』観る。 器のおおきい流山児祥と、器のおおきいしりあがり寿と、器のおおきい天野天街と。想像以上にファンタジーで、リアルで、古代で、現代だった。 物語のはじまりは現代の温泉場。そ…

舞台にも。俳優がたくさんたくさん乗っていた日を思いだしつつせむし男。

演劇実験室◎万有引力『青森県のせむし男』観る。琵琶、川嶋信子。二十五絃箏、本間貴士。上演時間1時間15分。 寺山修司の、探偵小説ごのみ。独白と、噂話ではじまるので、人間と人間がぶつかり合うドラマは中盤以降。 老いたる花嫁・大正マツに高田恵篤、女…

根本豊による『五月の鷹』。以来の、

夢精して目が覚めた。万有引力こわい。春風亭一之輔の『鼠穴』(「落語ディーパー」)聴いて、スズナリに行く。席に着くと舞台では高田恵篤が首に縄を巻いていた。『鼠穴』もそんな話だ。『鼠穴』の主人公は若いが、リア王みたいなものだ。なにもかもうしな…

魔痢子「何もかも、妄想なのです」

最後に生き残った者たちは激昂し、それまでは従順で高潔だった息子が父を殺す。禁欲家は近親者たちの肛門を掘る。淫蕩な者は純粋になる。守銭奴は金貨を鷲づかみにして窓から投げ捨てる。戦争の英雄はかつて命がけで救った町を焼き払う。上品な者は着飾って…

〈街の空 空の街 空見れど 空見れど〉

少年王者舘『アサガオデン 劇場版』観る。 野外で行われたダンスパフォーマンスを、スズナリの劇場に。新たに落語を盛りこんだ。 振付・夕沈、演出・天野天街、音楽・珠水。生演奏・坂本弘道。落語台本・河井克夫。 呼ばれているのはアリスかとおもったら、…