大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「世界を食ってやるって思ってた。だけど実際は」

パスワード:家 (h0us3)

インターネットの情報や、闇。そこを泳いでカネを持とう、権力を握ろうというイキッたIT仲間たち。ひさしぶりにあつまる。

密室の会話劇。近隣のWi-Fiすべてに入ることができる、きみたちのパスワードも当ててみせるなんて話からウィキリークスアノニマスといったアンダーグラウンドのリアルへと進んでいく。かんたんな心理学から奇譚に合流するさまは古典的な探偵小説。強気な人物たちが集団ヒステリーに陥る終盤も良い。

『パスワード: 家』(2018)。原題は「H0us3」。監督マノロ・ムンギア。共同脚本にセルヒオ・マルティネス。

この世には検索できない情報がある。ダークウェブ。皆を招いた家主のラファは、そこで30秒後を映すアプリをみつけた。

皆でプログラムをいじる。3時間先のことが視えるようになる。12日後が視えるようになる。

いちばんこわいのはにんげん、という時代はとっくに過ぎているのかもしれない。

未来が視えるから、未来を変えることはできる──そういう安心はじぶんたちより高次の存在を想定していないからで、より上のものに未来を牛耳られたらどうなるか。

「きみが何をしようといつでも先回りできる」

情報戦は怖い。かならず勝者が生まれる。それが人類とは限らない。