『貞子3D』(2012)、ホラーとパニックとSFがごっちゃになっているし、登場人物の重要度もあいまい。ホラーにしては名のある俳優を使い過ぎてもいる。だってJホラーだもんと言われればそれまでだけど。
事件を追いつめる刑事役の田山涼成がもっと物語に介入できてもよかった。安易な脚本は、進行する出来事に登場人物をタッチさせない。だから渦が生まれない。速度も落ちる。
それが美しさをころすこともある。
山本裕典の美しさは、ドラマを必要とする美しさ。それで型との相性は好いはずだけれど、型のみあるこの映画ではやや不憫。ウワスベリする。
一方瀬戸康史の美しさは、やわらかな生活感。関係性。『貞子3D』でも堪能できる。
女性は石原さとみ、橋本愛、喜多陽子ほか。