大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「知らないことが問題なのではない。知っていると思い込んでいることが問題なんだ」  マーク・トゥウェイン


マネー・ショート 華麗なる大逆転』観る。スティーブ・カレル、クリスチャン・ベールライアン・ゴズリングブラッド・ピットブラッド・ピットを神輿に担いだ組にはフィン・ウィットロック、ジョン・マガロ。


リーマン・ショックを知っているから、少数派のかれらが金銭を獲得することは予想できる。そしてのこりの多くがどうなるのかも。
だれも知る不幸へと直線的に進むほかない辺りは、古典的悲劇をおもわせ、主人公たちの結末の苦さはまるでアメリカン・ニューシネマ。
クリスチャン・ベール演じるマイケルは義眼の元医師。ひとといるのが好きではない。結果、コミュニケーション能力も低い。説得もしない。誤解されやすい。
スティーブ・カレル演じるマークは異様に潔癖。システムの崩壊を信じて止まぬのは、終末論者というよりも、懐疑論者であるためのようだ。
原作がノンフィクション、といってしまえばそれまでだけれど、演技的な、虚構を夢みる変人ではない。ついていっていいのかどうか躊躇わせる変人だ。
かれらはサブプライムローンが破綻を来たすことに賭けるが、その現実がなかなかやってこない。周囲も、観客もじりじりする。
不幸が訪れればいいのか。勝ちのこった奴を見て笑えばいいのか。
苦いのは、そこにいくつもの味があるから。