大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「自分が心地よいと感じた誰かの言葉に、導かれるように自分の行動を決めるんだ」  萩本欽一(『週刊文春』2016.2.4「欽ちゃんのボケないキャンパス珍道中」)

電子書籍で好き勝手にアンダーラインを引くようになって、文字を追うときの感覚が変わった。
どこまでも断片でいい。名文として完成する必要はない。
ただ切断面がならんでいく。それが理想。


“少女神”第9号 (ちくま文庫) モナドの領域 私家版鳥類図譜 私家版魚類図譜
古い「週刊文春」整理。2016.2.18、「私の読書日記」で穂村弘が〈好きなものに夢中になりすぎ、きらきらしたものに憧れすぎる〉と、フランチェスカ・リア・ブロック“少女神”第9号 (ちくま文庫)』について。
「『魔除け』展」に行った辛酸なめ子は〈現代の日本のように、全く何も気にせず、徹底的に魔を無視する、というのも魔除けの一つの方法かもしれないと思いました〉


2016.1.14、「週刊文春」中「著者は語る」、『モナドの領域』の筒井康隆が「僕がやっていることはグルーチョ・マルクス(笑)。常に読者がびっくりするような概念を提示したかった。SF文学で僕が一番大切にしてきたことは驚きです」
若き日。「当時は媒体が『SFマガジン』しかなくて、なかなか作品を発表する場がない。だったら子供向けに、SF文学の素晴らしいアイデアを伝えて読者を増やそうという使命感で書いたのが、『時をかける少女』だったんです」
「私の読書日記」、穂村弘諸星大二郎

「なぜならぼくは“世界”のそとに憧れるあまり 鳥のようになりたいと思った… そして この鳥の少女を愛した… それこそが罪だった しかし少女が“虚空”を渡ってまでぼくを追ってくるとは…」
「なぜ“世界”の外に… “虚空”に惹かれるのか… 邪悪なものたちに交じってまで… “世界”の外に意味はないのに…」
「鳥たちはぼくを受け入れた それはぼくがもはや永遠に“世界”に入れない者だから…」
「塔に飛ぶ鳥」『私家版鳥類図譜』


ときめくなあ。中二病を極めたような選ばれし者の感覚とボーイミーツガール性。そして「邪悪なものに交じってまで」の「ダーク感」。本作に限らず、作者が描いているのは、金太郎飴のような正義の味方が存在し得ない世界だと思う。


2016.2.4。亀和田武の「テレビ健康診断」。『ダメな私に恋してください』ミチコ、深田恭子
「誰もが小利口で計算高く、上昇志向の塊だ。居酒屋とか満員電車で『ウチの会社も、使えねえ奴、多いっすよねえ』と喚いている“女子”いるだろ。女嫌いにもなろうってもんだ。
ああいった自称・女子の対極にいるのがミチコだ。邪心がないんだよ、この子は」
「自分を過大評価しかできない二十歳より、無垢な三十代が断然可愛い」