『メガマインド』、2010年の映画。銀の匙をくわえて生まれてきた正義の──鼻持ちならない──メトロマンと、悪の道を余儀なくされたメガマインド。そのように映画ははじまるが、メトロマンはえげつないやられかたですぐ退場する。刑務所でそだったために窓さえ知らないメガマインドがメトロシティを支配しちゃって、このあと映画どうなるんだ。万年敗者が天下を獲っても手詰まりになるだけ。
製作総指揮ベン・スティラー。メガマインドの声はウィル・フェレル。
「戦う相手が必要」とメガマインドはヒーローを生みだす「悪の発明」をする。
資格のないにんげんがヒーローになったらどうなるか。この辺りはいじめられっ子がヴィランになったケースや『パージ』『パージ:アナーキー』をおもわせるけど、びっくりするのはメガマインドが変身装置で一人三役、ヒーローの養育係になったりヒロインの相談役になったりと……『シラノ･ド･ベルジュラック』なのだ。ヒロインの名は、ロクサーヌ。
