『闇金ウシジマくん Part1』(2012)。柄崎(やべきょうすけ)に最も迫力があって頼りになる映画はこの1作目。弁護士役の金田明夫も佳い。社会の裏や、下層を職業によってえがく。ヒルズ族のような高いところの住人たち。
イベントサークルを仕切る小川純に林遣都。スターダストプロモーションらしい透明感、清潔感で闇はない。だからこそ不幸や不正に引きずりこまれていくのだ。闇をもたない瞳では、土壇場で踏みとどまるのがむずかしい。地獄なら地獄、煉獄なら煉獄に踏みとどまらなければ生活も表現もないはずだけれど、他人を利用するだけだから、あるときから誰にも相手にされなくなる。
岡田義徳や市原隼人の登場におどろく。今作は仕掛けの一つ一つが重たい。