大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「クマから多くを学んだ。かれらはわたしから何か学んだろうか?」

パディントン [DVD]
パディントン』(2014)。
「ルーシーが作るマーマレードは、探検家がおしえてくれたものよりおいしい」「いつかロンドンに持っていきましょ」「40年もそう言ってるが、実現してない」
やりとりに、ひきこまれる。『マイ・フェア・レディ』や『アニー』の匂いもする。うしなわれたじぶんのような。そういう、感情移入と応援のまじった気もち。


「なぜおまえは嵐みたいに暴れる?」なんて言われて返事もせずにちがう話をはじめるパディントン(このときはまだ、この名をもっていない)。
探検家をたよって、ペルーからロンドンへと。その展開が示すとおり、画がマジカル。
ニコール・キッドマン以外は、すごくイギリス。ニコール・キッドマン扮するミリセントはパディントンを狙う。動機がはっきりしているぶん、性格は単調になる。サリー・ホーキンス(ロンドンのおかあさん)、ヒュー・ボネヴィル(ロンドンのおとうさん)、ジュリー・ウォルターズ(同居の叔母)、ピーター・カパルディ(隣人)、ジム・ブロードベント(古物商)ほか、だれにも性格のほころびがある。
「奥さま曰く『ロンドンは変わり者だらけ』と。『つまりだれでも溶けこめる』」──パディントンにはハッピーエンドが待っている。
パディントンの声、ベン・ウィショー