昔よりいろんなことが見えて、わからなくなる……。
おれたちのしてることが、いいことなのか、それとも……わるいことなのか。
『デジモンアドベンチャー tri.』第一章「再会」。丁寧な脚本だ。デジモンを知らないあたらしいこどもたちにも届くような。
高校生となった太一に迷いが生じる。せつない。熱血なんて大人が演ったらギャグだもの。
太一はヤマトと、ぶつかる。それでわかり合えるほど、にんげんはつよくもかしこくもない。だからこのせかいにはデジモンがいる。孤独は避けられるけど、心のことは解決できず、無力。デジモン自身ももどかしく、かなしい。
そういう登場人物たちのちぐはぐな関係。テンポよくウワッツラでつき合えている部分もあるが、成長はそんなにかんたんなことじゃねえやという、スカッとしないところがきっとtri.の持ち味で、愛しい。