大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「人は体験談に説得されやすいものだが、残念ながら正直者ばかりとは限らない」

クライマー パタゴニアの彼方へ(字幕版)
『クライマー パタゴニアの彼方へ』(2013)。パタゴニア・セロトーレ登攀に挑むドキュメンタリー。1990年生まれのデビッド・ラマ(ダーフィット・ラマ)は少年の頃から天才的なフリークライマーだった。レッドブル・アスリートとしてセロトーレに向かうが、一度目は失敗。周囲の非難を浴びることとなる。「疑惑の登頂」や「ボルト乱打」で悪名高いチェザーレ・マエストリと並べられもした。
マエストリは疑われてやっきになって岩壁にボルトを打ちまくり頂上近くにコンプレッサーを置いて下山した。登攀をカタチにし、どうだ見ろと主張した。
ヒトには、そういうところがある。デビッドも一度や二度では引き下がれない。
アタックに焦点を当てた作りが好い。幼少期のエピソードなく、前進のみある。
だから、デビッドの思考の転回にこちらもついていける。
初めデビッドはこだわっていた。「落ちたら負け」という「競技のルールに完全に縛られていた」。しかしセロトーレは、時間や聴衆に見守られた試合ではなかった。