大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「昔『ラ・ラ・ラ・ラブホテル』て映画つくったんだけど、そんときこういうラブホさがしてたんだよね」

ロマンス [レンタル落ち]
脚本、監督タナダユキ窪田正孝目当てで観たらホンのチョイ役。まどろみながらもカネをせびるダメ男として。


ジャケットから『新幹線ガール』的な品位やサービスに長けたヒロインかとおもっていたら、女性の書き手による日本の現代文学にありそうな、感じのわるいおんなの子で、これが大島優子。アイドル時代を知らないので先入観なく、『ウシジマくん』でも奇妙に色っぽく傷ついた役が巧かったと印象が深くなる。
不細工で不器用だがさほどエゴイスティックではない同僚に野嵜好美。こちらも好い。


小田急ロマンスカーで働く北條(大島優子)は、車内販売を万引きした桜庭(大倉孝二)を追ううち二人で「旅」をすることとなる。北條の母が箱根で自殺をはかっているかもしれないと。
回想シーンが観客のための説明なので客観的で、母の事情がよくわかる。すると娘の恨みに感情移入できなくなる。傷がわからなくなる。
そうではあるけど傷を癒やす「旅」なのだ。もちろん北條だけでなく、桜庭の。


「旅」をせずとも傷を癒やしながら生きていく久保(野嵜好美)がすごいなあともおもったし、回想と成長の扱いがやはり雑だなともかんじたし。