『しゃばけ漫画 佐助の巻 (バンチコミックス)』、畠中恵『しゃばけ』シリーズのトリビュート・アンソロジー。萩尾望都、雲田はるこ、つばな、村上たかし、上野顕太郎、安田弘之、柴田ゆう。
若だんな・一太郎は病弱で、それを守る手代二人がキレイ系の仁吉(じつは白沢)とガッチリめの佐助(じつは犬神)。このコントラストは画になる。萩尾望都でそれが読める(一話ぶん)。
萩尾望都が描いたのは「うそうそ 箱根の湯治についての仁吉と佐助の反省談義(ミーティング)」。ダイジェストで振りかえる、なまなましい回想に現実がピクンと反応したりする。この時制の行き来、めいめいの異なる時間のながれかた、生きよう──統合しようとするもままならぬ統合、というバラバラなかんじを読むのがとても気持好い。そして重い。なのに笑える。仁吉と佐助が対立し、そのまま若だんなと三人で湯に入るラストのコマは絶品。