「どうしちゃったのー、
ななこの弟。」
…ビリビリ、
バチバチッて…
ビリビリ
ビカビカ
ドッカ───ン!!!
ジョージ朝倉『ダンス・ダンス・ダンスール』第1巻。外で、ダンス・ダンス・ダンスール新刊告知の「足のポジション」を見て「あ、もう19巻か」とおどろいた。途中まで読んで、ほったらかしだ。だから、もう一度。
『ダンス・ダンス・ダンスール』は、幼年期の挫折からはじまる。「男なのに?」と冷やかされ、アクション監督である父の死もかさなって潤平は一度バレエを捨てる。
「男らしくないこと、 = カッコワルイこと。」
だから潤平はジークンドーを習うことにした。しかしバレエに触れると訪れるドキドキに加え、ヒロインとの恋愛フラグという、誤解。仲間と培ってきた友情を超える、恋愛感情がやってきた。バレエのことは隠してる。「秘密」はつねに複合的なものだ。
秀逸なのは、潤平の親友が潤平のイジメの対象だったこと。潤平にその自覚はなかった(反省もない)。しかしあいての兵ちゃんはその過去を、事あるごとに口にする。それでいて兵ちゃんは「バンド組もうぜ?」と、潤平へのふしぎな執着をみせる。兵ちゃんには蠱惑的な繊細さがある。かなり佳い。
そして潤平のまえに現れる同門の森流鶯。
潤平がまっすぐなぶんだけ、まわりの男子は屈折している。