大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

監禁の予告

『准教授・高槻彰良の推察』第7話「四時四十四分の怪」。

「見られてしまったね……。これを説明するには、いろいろ話さなきゃいけないことがある。あまり楽しい話じゃないから、できればいまはしたくない。構わない?」

無言の深町尚弥に「やっぱり深町君は優しいね」と高槻彰良。演技にも脚本にも張りつめたものがある。尚弥と高槻を演じるのはシンメの色気を有する神宮寺勇太と伊野尾慧。それぞれに抱える苦しみだけでも物語を推し進めていくことはできるが、院生の生方(岡田結実)や、健司(吉沢悠)の後輩(森永悠希)の打ち明けられぬ悩みをかさねてリアリティの重量を増す。

健司の「いいから話せ。こいつら笑わないから」といったひとを気遣う科白も佳い。

そこに、怪しい県警広報官・遠山(今井朋彦)が登場する。はじめは悪者のような顔で。つぎには同類のよしみというふうに。

「きみは嘘がわかるのか?」

 

遠山は「先輩」として尚弥を教育、脅迫、精神的監禁をしようとする。悪意からではない。遠山は孤独だったから、教育以外に手を知らぬのだ。

「わたしなら、きみが抱えている悩みも苦しみも、理解できるからね」

 

「年下の人間を動揺させて決断を迫るなんて、いただけないですよ」とは高槻彰良。