大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「女たちよ!」  『おいハンサム!!』

渡る世間はオヤジばかり (Kissコミックス)

『おいハンサム!!』、脚本・演出、山口雅俊。イイ。

原作は伊藤理佐の『おいピータン!!』『渡る世間はオヤジばかり』その他。これがほどよくミックスされて、練られたファミリーロマンスになっている。

キャストも抜群。吉田鋼太郎MEGUMI。娘たちに木南晴夏佐久間由衣、武田玲奈――色気のある家族なり。

三女の美香(武田玲奈)のカレシは稚拙なマンガを描くユウジ(須藤蓮)。裸族である。

次女・里香(佐久間由衣)の相手はモラ夫(桐山漣)。

人物や関係がはっきりしていて快い。

そして吉田鋼太郎による父・源太郎の価値観だ。あちらこちらで炸裂する。

(トきっぱりと)調べてない。この店はな、仕事帰りで道に迷ってしまって、たまたまみつけんだ。

外から見た店の佇まいと、それから中にみえる品書きやお客たちの様子で、「よし!」と思い切って飛び込んだんだ。

で、いい店だったんで、もう一回来ようとしたら、迷ってしまった。

迷って、たどり着いた。じぶんの、勘だけを頼りに、思い切って飛び込んでみる。迷わないと、みつからない。迷ったからこそ、たどり着ける。

若者は問う。「でも、そうやって店選んだら、当たり外れありません?」

「だからおもしろいんじゃないか。間違いのない選択なんてないんだよ。だから、ちゃんと迷う。迷って選ぶ。迷って選ぶ。人生、それの連続だ。迷っていいんだ。迷っていいんだよ」

 

行きつけのそば屋は老夫婦ふたりで切り盛りしている。そこでたっぷり尺をとり、あまりの繁盛ぶりに観ていてハラハラする。可笑しい。演ったのは梅沢昌代。