大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「生きている細胞の本質は、物理的な現象なのです」瀧ノ上正浩

Newton 生命とは何か<大特集>: リチャード・ドーキンス博士「生命はつくれる」
Newton 生命とは何か<大特集>: リチャード・ドーキンス博士「生命はつくれる」」、Kindleにて。『Newton』2013.7の特集記事のみ電子化されたもの。図鑑のように、序盤は子供でもよくわかる。
「外から栄養をとる(代謝)」とか「死んだ生物はエントロピーが増大していく」といった辺りから、生命の定義が厳密にしかも散逸しはじめ、わくわくしてくる。リチャード・ドーキンスはロボットと人間をあまり区別しないし、遺伝情報を運ぶという点で、ミツバチは花のDNAであると説明することもある。じぶんの子だけがじぶんの子ではないし、遺伝は性行為だけを指しはしない。
「研究者が語る“生命とは何か”」の章が良い。ポール・デイヴィスは「生命の最も重要な特徴は何でしょうか?」と聞かれ「情報の流れを処理する方法をもっていること」。不老不死については「寿命を少しのばせるでしょう。ただし、すでに根本的な限界に到達しつつあると思います」──ささやかだが刺激的な言葉。「ロボットは生命になりうるでしょうか?」「DNAを人工的に設計し直した生物と、無機物からなるナノマシーンの区別はすぐに消えてしまうと思います」

ナノスケールの領域では、有機的な世界と、無機的な世界の特徴をあわせもつ、ハイブリッドな機械がじきにつくられるでしょう。しかし、金属でできた大きなロボットが、生命の特徴の多くをそなえることはないでしょうね。

あれあれ、ポール・デイヴィスのこと好きだなあとおもいながら読む。
松井孝典の「私たちは、普遍的な生物学をもっていないので、生命の定義を知らないのです」も熱い。