大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「この銀メダル、きみのだろ」「ちがうよ。だって、捨てたんだもの」

君に泳げ!

2013年の映画『君に泳げ!』。「国民的弟」であるウサン(イ・ジョンソク)と、天才肌のウォニル(ソ・イングク)。ウォニルはふざけてばかりいるが、そこに見え隠れするのは陰のある物語。

少年期のウォニルは金メダルだった。ウサンは銀メダル。時経て二人はルームメイトとして再会するが、ウォニルに戦意はない。

きれいな顔の子役によって、過去が何度も挿入される。みじかくて、はっきりした行為と情景。メダルへの想いとか。初恋とか。秀才であるウサンの執着と、天才ウォニルの無意識がみえてくる。ウサンはウォニルを覚醒させたくて、さまざま仕掛ける。

ヒロイン(クォン・ユリ)はどちらがモノにするかなんてやりとりもあるし、濃厚ながらもBLは気配に過ぎない。エピソードを組み換えると、もっとBLになる! とおもわせるところが、BLだった。BLは、どこからBLなのか──。

ヒロインを勝手にモノ化するんじゃないよと観ていると「私の恋人は、私が決める」とカウンターがある。

かれらの仲間に、シン・ミンチョル。キム・ジェヨン。猫目でノリ良く逞しいキム・ジェヨンが好演していた。天才や秀才には形があるから友人役のほうが自由に演れる。