大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「にんげんなんて所詮ぬるぬるですよ」

ハッシュ! [DVD]
ハッシュ!』、2001年の映画。2001年の高橋和也田辺誠一がゲイのカップルを演じる。監督、橋口亮輔。にんげんの短所が真ッ先にでてくるような描きかた。これをやると登場人物を多面的にえがくのに時間がかかる。
行きずりのセックスを厭わないような、即物的な女に片岡礼子。美人だ。このひとにつきまとう子犬的なれなれしさと拙劣な性戯でできた年下男に沢木哲。エンドロールでおどろいた、加瀬亮がでている。そば屋の店員。


「何あの女? ぜったいアタマおかしいよ」
そば屋で、高橋和也田辺誠一に言う。高橋和也のオネエ言葉はみごとだ。いるいる、というかんじ。それを観ながらかんがえる。高橋和也に罪はないけど、オネエ言葉という地域性はほんとうに変化もなくのこっているのだろうか。そうだとしたらその地域に高齢化が迫っているとはいえそうだ。
男言葉と女言葉の区別がなくなってきたように、オネエ言葉も消失しつつあるという感覚はある。


おかしなひとばかりでてくる。冨士眞奈美秋野暢子もおかしい。田辺誠一に惚れているつぐみもおかしい。
田辺誠一扮するカツヒロは、「本気の人にはこっちもちゃんと本気で応えないとって、思うよ」と科白する。一方で何もかもが鬱陶しい。優しさが道を拓く。だからあいての本気を見極める必要がある。