大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

「孤児」であることに挫折したり「末っ子」であることに挫折したり

[テレビ・ドラマ][かっこいい][かわいい]「うん。チャーリー。チャリだから、ちょっとまあ、フェアリーだから。チャーリー」
Hey! Say! JUMPは美しい。美しいとは心根の優しさ。テレビのコンテンツもすこしずつ「はしゃぐこと」から変わってきてはいるけれど、なかなか幼さ、優しさは番組にならない。
『いただきハイジャンプ』、うつくしい涙はひみつの証。


いろいろな性格があって、ひとまえで泣ける男、泣けない男がいて──それらは異なる匂い、根の匂いする。
ぼろぼろと泣く中島裕翔、有岡大貴にやられた。末っ子感、涙の多さ。きっと後天的なものだろう。せかいがじぶんを見棄てないことを信じながら、徐徐に身につけた。
薮宏太と有岡、中島でおとこの子が自転車に乗れるように。自転車の妖精だから「チャーリー」。それを受け容れるおとこの子。
容れた証拠におとこの子は好きなものの話をする。「スターウォーズがすきなんだ」
ともだちがいるからつよくなれる。家族や恋人とはべつの頑張りを発揮する。
そして集中すると、友だちというものがつかの間いらなくなって、「ちょっとしずかにしてて」。それでいて永遠。それでいて秘密。
大人たちが自転車の乗りかたを教えましょうと近づいてくるとチャーリー(お守り)を抱いて自転車から離れてしまうおとこの子におどろいた。守るものが「自転車に乗れるようになること」でなくなった。
傘を差して遠くへ行こうとするおとこの子に、チャーリーが言う。
「ぼく雨きらいなんだ……。あ、雨で、しゃべ、れ、なく、なって、き、た……」
チャーリーとおとこの子の仲には秘密なものがあったから、別れの涙がただむやみと熱くって透明な匂いをもつ。


つづいて郄木雄也たちのパート。
郄木雄也はひとを揶揄しない。八乙女光スペシャルの意味で腕をSのかたちにすれば、いっしょにSのポーズをきめる。
こどもに対しても寄り添い、成長を促せる。
郄木の声が愛しい。
「ぼくのなまえは、マーくんだよ」


おとこの子とのやりとり。
「マーくんとはなすの、だいすきだもん」
「ぼくもだいすきだよ」


「ママ、もうすぐかえってくるんじゃない? だからさ、おかあさんかえってきたらさ、びっくりしちゃうから、きょうはかえるね」