大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

ヴァンパイアとかゾンビとかアメリカンフットボールとかベースボールといった古典的な題材には工夫が要る。

フリークス・シティ (字幕版)
フリークス・シティ [DVD] 『フリークス・シティ』(2015)は人間? とゾンビとヴァンパイアが団結してエイリアンを倒す話で、順を追って説明するには関係が絡まりすぎているので映画はいきなりクライマックスからはじまる。物語に要請された語りの必然性がニクい。
脚本は『22ジャンプストリート』にも参加しているオーレン・ウジエル。監督ロビー・ピカリング。
主人公たちはティーン。三人とも、恋愛を成就させたいセックスを経験したい年ごろだ。これが最初からニンゲンとゾンビとヴァンパイアでは友人になるのに時間がかかる。恋心のためにかの女たちはヴァンパイアにゾンビになる。佳い想像力で書かれた脚本。町でかれらは共存している。
処女だけれどもセックスまで行くつもりでヴァンパイアとベッドインしたヒロイン(マッケンジー・デイヴィス)は噛まれて、ヴァンパイアになっただけ。せつない。鏡に映らなくなるし。
主人公たちはいいかんじに報われていない。それぞれに。秀才だったゾンビのネッド(ジョシュ・ファデム)。まわりに便利に使われていたダグ(ニコラス・ブラウン)。このニコラス・ブラウンが性的ではないばめんで全裸になったりして、おもいのほか良かった。全裸が伏線になっていなくもない。凄い。
この映画にはスリリングなところがたくさんあって指摘しだすとキリがないけど、何度かフォルムを変えるエイリアンのさいごのすがたに「これ、『バスケットケース』だよね?」。