大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

画も声も清潔。

海辺のエトランゼ

BL長編アニメ『海辺のエトランゼ』(2020)。紀伊カンナ原作。

舞台は沖縄の離島。母を亡くして孤独な実央(松岡禎丞)×ゲイだが未経験の小説家・駿(村田太志)。

恋愛感情なのかどうか語られることこともなくするりと三年後の再会。「理由なんかいいんだよ。一緒にいたいから、戻ってきたよ」と実央。

実央はシンプルに性的衝動をぶつけたくてたまらない。そこから逃げるようなところのある駿には古臭い道徳と傷があって、それもまあネコとしてあいての肉体を受けいれる覚悟に集約されていくから、乗り越えられぬものではなかったのだろう。

かつての婚約者・桜子(嶋村侑)が登場する。絵理(伊藤かな恵)と鈴(仲谷明香)という百合めいたカップルもでてくる。昔と今が混在しているのは、自然にめぐまれた土地のためだ。都会で前時代的な物語に縛られていると、ちょっと愛されない。

風通しは良いがドライでない、潮騒の匂いの物語。