音楽劇『あらしのよるに』観る。
主演は渡部豪太(ガブ)と福本莉子(メイ)。オオカミのリーダー・ギロに高田恵篤、おばさんヤギに平田敦子。
演劇は、おもしろい。高田恵篤のようにアングラを演り、シェイクスピア劇(それも、野村萬斎の)を演り、ファミリー向けの劇を演る。たくさんの作家を股にかけ、表現の豊富なベテランがいるかとおもえば、ういういしく真ッ直ぐな、自身の感動を舞台にあふれさせる若手もいる。渡部豪太は中堅だろうか。十代の福本莉子との共演に、余裕がある。オオカミとヤギの関係を、あくまでユーモラスに。
脚本との格闘の合間に、俳優同士の駆け引きがある。
前半55分、休憩20分を挟んで後半は35分。子ども向けながら、2時間近い劇場体験をさせるのが凄い。原作やアニメ映画と比べて台詞は削ぎ落とされている。生演奏。生歌。オオカミが、ヤギが、精霊が踊った。
《あらしのよるに》という合言葉、《ひみつのともだち》なる関係性。ワクワクするような、ヒリヒリするようなかたちをつくった原作はきむらゆういち。
音楽劇の脚本・演出に立山ひろみ。