大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

アラン

月刊flowers 2018年7月号(2018年5月28日発売) [雑誌]
月刊flowers 2018年7月号(2018年5月28日発売) [雑誌]』、表紙のアランが岩橋玄樹よりのアラン! と即買い。萩尾望都先生にそのような意図はないだろうけど……。
アランが岩橋玄樹だとするとエドガーはサーセンだろうか、それとも歩く人間ゴリラだろうかとかるい夢想する。
岩橋玄樹のことをかんがえるようになったのは『FINEBOYS(ファインボーイズ) 2018年 06 月号 [好感度を劇的UPする「キレイめ」コーデ術!/King & Prince]』を買ってから。岩橋玄樹のページを枕辺に置いて訓(おしえ)としている。

怠けずに生きたい。一日の時間の使い方もそうだし、どこかで人よりも努力をしよう、人がやらないことをやろう、と思っています。

岩橋玄樹の美的感覚が、十年先二十年先を約束するわけではない《若さ》にあるだけに、努力ということばからなまなましい息づかいをかんじる。
アスリートの現役感のような。いずれ手放さなくてはならない美的感覚を有している。
十年後二十年後もこの美しさを保っていようという努力であり、いましか謳歌できない美しさをとことん楽しもうという努力でもある。刹那と持続に挟まれたものが永遠である。


さて『ポーの一族』の新章。舞台は2016年。40年のあいだ消えていたエドガー。「その電話機 今 みんな使ってるんだね」
「ああ これ? スマホさ 世の中どんどん変わってる…」
読んでいて、いろんなところにぞくぞくする。
エドガーは、40年まえをおもいだせない。

「覚えていない?」
「思い出すのに時間がかかる…」

あれはコマドリだ…
最初に耳が回復したんだ…
鳥の声を聞きながら…
ぼくは誰だろうって思ってた…

「どうしてオレの鳥たちは
きみを見つけられなかったんだろう!」
「…それはね
…ぼくが…
“グール”のような怪物に
変化してたからだよ」

アランは
ぼくより人間っぽくて
ピュアだった

コマドリの声…
崩れた地下の洞窟の中で
目覚めて
…闇の中で
…焼けたワラを抱きしめてるのかと思ってたら
その塊が…
アランだった


すげーなー。文字数に対する詩的喚起力が並でない。真顔で、訥訥と、絶望や変化について語りつづけるエドガーと、聞いていて感情を揺さぶられるファルカ。この対比もたまらない。
ひとには勧めないがいまネアンデルタール人(無垢)が人類(原罪)に駆逐されるウィリアム・ゴールディングの『後継者たち (ハヤカワepi文庫)』を読んでいて、これもすげーなー。の世界。
無垢についてかんがえている。