大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

さいごは、東京大衆歌謡楽団。

「『二つ目物語』完成記念特別上映会」行く。

監督、林家しん平。上映前の進行は蝶花楼桃花。しん平師、喋れば飽きさせない。今作・柳家㐂三郎の演技と『落語物語』(2011)の柳家わさびの違いや、前座ぽっぽ→二つ目ぴっかりを経てしん平映画常連である蝶花楼桃花のこと。シネマ・ロサ公開まで漕ぎつけたプロデューサーの話など。

3話のオムニバス。各話40分くらいあり、2時間超えの映画である。寄席に来た気分で、としん平師。言い換えれば、一人会ではない。多数の演者による新作落語の会のような。おなかいっぱいになってしまうところも。

上席・中席・下席と銘打たれた各話の題は「貧乏昇進」「幽霊指南」「モテ男惚れ女」。

パンフレットに〈二つ目とは前座と真打に挟まれた十数年間の期間です。芸が一番伸びる時で、師匠から少し離れて自分の落語を作り上げる大事な期間ですが、怠けようと思えば幾らでも遊んでいられる自堕落な期間でもあります〉――。お金がなかったり(「貧乏昇進」)、異性や異界のものを演るのが下手だったり(「幽霊指南」)、オンナにうつつを抜かしたり(「モテ男惚れ女」)という二つ目の危機を、喜劇と怪獣映画のテイストで撮る。

 

シリアスなばめんで、いかにも玩具のナイフがでてくる。満座の客がドッとウケる。刺されて苦悶の表情に、好意的な笑いが起こる。落語だし、クラウドファンディングではあるし。ここじゃあシャレがわかったほうが得。

鹿芝居(噺家の芝居)ゆえ、出演者たち本業の落語が聴きたくなる。橘家文蔵イイナァとか。春風亭柳朝は飄々としてるなあとか。古今亭菊春マヂヤヴァいとか。

「幽霊指南」主演の柳家さん光、林家なな子。「モテ男惚れ女」の林家あんこ、金原亭世之介、三遊亭歌る多。好奇心がむくむくと。