大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

ほかに藤真美穂、安達雅哉、梶剛、白川哲郎ら。

猫と電車 ~ねことでんしゃ~ [DVD]
『猫と電車』(2012)。「ことでん路線開通百周年企画」ということもあり、郷土性のほかにエキストラが多数起用されているようで、映るひとびとになまなましさがある。それにうまくまじるかたちで脚本は80年代的なポップと冗談ぽさがある。主演の篠原ともえが90年代の空気をまといつつ、マジカルな化学反応と現実世界。


なかなか食っていくことができずあちらこちらの友人宅にころがりこんではそっとでていくような生活が常態となっているキャラクター作家の雫(篠原ともえ)。絶縁していた姉との再会、口喧嘩などもあるが、そこでのやりとりは稚拙で、よくある夢と現実のいさかいのまずいトレスというかんじなのだけれども、映画の冒頭にでるおさないころの雫ははっきりと天才なのであり、なんなんだどういう脚本なんだこれはとかんがえるきっかけになった。
エキセントリックでひたむきで詩的な天才を描けばかえってサブカルぽいものになる。その天才に神経症的なものを付与してしまうことにもなる。
もっとふつうに異能が暮らしていけるかたちが望ましい。そういうことなのだろうとおもった。
片想いされても崇拝されることはない。ちょうどいい存在感の天才として、雫は町に溶けこんでいる。
〈監督と脚本と撮影と編集〉に香西志帆。