大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

〈RPGゲームの『竜に誘拐されたお姫さまを助けたい』ってのは、大きな目的だ。でも、こいつ(中ボス)を倒したいとか謎を解きたいとか、具体的な目的は、そのたびに変わるんだ〉

鴻上尚史の俳優入門 (講談社文庫)
鴻上尚史鴻上尚史の俳優入門 (講談社文庫)』。2006年にでた『俳優になりたいあなたへ』に「おまけ 台本の創り方」、高橋一生との対談「原点は『お芝居したい』という衝動」を加えた文庫版。本編は「僕」が、新幹線のなかで高校生のユキちゃん、マサシ君と語り合うというジュニア向けの形式に則ったもの。
《高校演劇》という、それほどメジャーでないけれど伝統ある世界を起点に、演じることや脚本、他ジャンルとの違いが説明されていく。
自分の役について深く分かれば分かるほど、演技に集中することができるので、緊張しなくなるんだ


「4つのW(When、Where、Who、What)」を押さえることや〈『葛藤からの動き』と『ただの動き』を区別すること〉。


個体差をいかに自覚するか。

『美人村』出身者の悩みと『ぶさいく村』出身者の悩みが同時にあるから、ドラマは深みを増すんだ。


〈俳優を続けるための努力を死に物狂いでしないと、その人はどんなラッキーなデビューをしても三年で忘れ去られる。これは、絶対だ〉


いろんな選択肢があるんだと提示するのは優しさだ。ところが後半、一寸シビアになる。

君は、最初の仕事を終えた後、すぐに失業する。失業して、膨大な時間を持て余す。失業期間は、一週間かもしれない。一ヵ月かもしれない。半年かもしれない。一年かもしれない。恐ろしいことに、失業期間がどれぐらい続くか、君には分からない。