大漁、異漁。耀

タイトルは タトゥーのようなもの

2018-01-01から1年間の記事一覧

こわいサンタクロース

フィンランドの映画にはおおむね生活がある。 経済と、貧しさ。それを強調するように家庭は不幸。 ダークファンタジー『レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース』(2010)。採掘をしていたらなにかがでてきた、というかそれこそが目的だった。現場ではそ…

「底意地がわるくて、つめたい子。わたしを愛していないのよ」

『フィンランド式残酷ショッピングツアー』(2012。ロシア。フィンランド。監督ミハイル・ブラシンスキー)。手持ちカメラによる一人称映画。その形式を確立したのがホラーゆえ、そちらに寄り添うかたちだけれども、家族映画。母子のロードムービーといった…

「他人に利用されたまま終わっちゃダメだ。きみは利用された。騙された。だったら、一撃喰らわしてやろうじゃないか」

2012年の映画『マディアおばさんのドタバタNY事件簿』(Tyler Perry's Madea's Witness Protection)。原題のまま、怪しい字幕のやつをアマゾンで観たがいつの間にかに邦題ついてた。VHSならぶレンタルビデオ店でみつけたら、迷わず借りるタイトルだ。 出演…

〈丹下左膳とターザンは、洋の東西で期せずして現れた似たような存在であった〉

色川武大『なつかしい芸人たち(新潮文庫)』。タイトルがすでに懐古的だから、この書影の素ッ気なさが佳い。旧い単行本のように俳優の写真が使ってあると近づきにくくなる。 だれかを貶めるというわけじゃないけれど、批評には比べ、並べるところがある。た…

かれらの痩身 たびにでる

細めで筋肉質なのを美しいとかんじるので、キレてる筋肉よりもやわらかにみえるもののほうがいい。 『特別付録DVD付 anan (アンアン)2018/08/15・22 No.2114[愛とSEX]』、西島隆弘。 こういうカラダがメジャーになっていくと、健康のためにと突如ジム通いな…

伊野尾慧とジュノ。二人とも1990年生まれ。

『Hanako (ハナコ) 2018年 8月23日号 No.1162[ひんやりスイーツと、夏の男。]』、コンビニで表紙に射抜かれ、気の利いたことも言えない。伊野尾慧は表現力が日に日に増していっている。 2PMのジュノ(JUNHO)が載っていたのも嬉しかった。受け答えも巧みで。…

「なかちゃんはさー なんで映画同好会入ったの?」「……ウチの大学LGBTサークルあるの知ってる?(……)会員募集の張り紙のノリが……合わなくてさ〜」

新井煮干し子『もらってください (EDGE COMIX)』。マンガとして、自立している。ムダがない。登場人物けっこう会話してるのに、時間の省略きちんとしていて、動きがあり、喜怒哀楽もすごい。 モテることとあんまり縁なく過ごしてきた希介。女の子にとてもモ…

ド変態がすべてを呑む。

清潔な絵でがっつりエロい。そういうリアルもある。 碗島子『せまい。 (バンブーコミックス Qpaコレクション)』。売れっ子漫才師を目指す「せまい。」の二人、ヨイと塩。ネタ合わせは公園でするけれど、かならず見に来るあやしいおとこ。 ヨイは芸人の強心臓…

〈ニシン漁の最盛期を懐かしむ老人のように遠い目をするおにぎり。彼もまた北海道出身である〉

芸人のツッコミよろしく比喩が多く、有り物でキメてくるところは、水道橋博士に近いかもしれない。若き日の古舘伊知郎のような造語の掛け算はすくない。 山田ルイ53世(髭男爵)『一発屋芸人列伝』。挙げられるのはレイザーラモンHG、コウメ太夫、テツandト…

〈かつての絶対王者が自ら破滅していく姿をみんなが見て見ぬふりをした〉

加藤シゲアキ『チュベローズで待ってる』。2巻本。上巻は主人公22歳、雑誌に連載。下巻は10年の月日が経過、書き下ろし。上巻と下巻で毛色がちがうので、映画ならば2本つくるというような。 つぎからつぎへと事件が起こる。つながりはあまりない。この雑駁さ…

おどろきのいまどき

池袋の竹内涼真写真展、入場できそうな空気だったらチャレンジしようとおもっていたが(グッズが欲しい)、とてもそんなかんじではない。 「会員制」だった。 それでも未練はのこり、大阪に遠征しようかと悶悶。

愛之助、しゃべりのリズムが抜群。愛しい。

片岡愛之助と麻布十番。『裸の少年』、那須雄登、藤井直樹、岩崎大昇。 悩んでも悩みごとって、解決しないから「悩みごと」じゃない? そこにずうっとこう、執着してても、ものごともまったく進まないから、これは仕方がないと。 おもって、つぎへ、つぎのス…

「男はチンコ揉まれりゃ硬くなるに決まってんだろ」

トリメ『五臓六腑の恋 (バンブーコミックス moment)』。深夜から始発前まで営業する食堂の店主(若い)と売れっ子ホストの物語。 アクロバティックな着想とか、急展開というのはない。初コミックス。マンガの技術は平均以上。 食堂店主はゲイで借金抱えてい…

「それキャベツじゃないんですか?(泣)」「それワサワサじゃないよ。モリモリじゃない?」

『裸の少年』、作間龍斗、高橋優斗、猪狩蒼弥。 ゲストである浜内千波のホーム中野坂上周辺グルメ。 「ソナム」の石焼ビビンバのコクは、ごま油だけでなくバターを用いているところ。 「ガルゴティエ ササキ」のデザート、プリンに作間龍斗が「濃ゆいー。大…

碓井将大の落語、何度でも聴きたい。

山田裕貴を見たくて本多劇場『志らくに挑戦! はじめての落語』行く。このイベントを知ってすぐにチケット入手したけど、「はじめての落語」というのは着物の着付や扇子の使いかたナドの公開レクチャーだろうと大して期待もしておらず、当日チラシで 土屋礼…

岸優太の単独写真、かっこよくて清潔。

『Ray(レイ) 2018年 09月号』King & Prince。 神宮寺 この前、岸くんがコンビニ行くっていうからついていって、カップラーメンおごってほしくて紫耀と2人で土下座しました。 岸 ここでそんなこというなよ。どっちが金がないかわからないじゃん! 平野 いや、…

ルミ子「肉祭りと行きたいんですけど、どう?」 浮所「(僕たちが着ている)ハッピが『祭り』なので。似合いますね」 ルミ子「そこかい」

『裸の少年』2018.7.21、ゲストに小柳ルミ子。冒頭の掛け合いで小柳ルミ子に『ジャングルの王者ターちゃん』のノリを見てしまう。それでけっこう愛しく観た。ああこのひとはまじめなひとなのか。知らなかった。小柳ルミ子の下地に、根性があった。 応じるJr.…

「どぜう」のような

旅先で『MyoJo(ミョージョー) 2018年 09 月号 [雑誌]』買う。カッコイイとか、アコガレとか、そういうものとは一寸ちがった、もっと骨身に喰いこんでくるものとして岩橋玄樹が愛しい。見ていると、道徳的にならずに済む。 「ジャニーズWEST 藤井流星が“史上…

日本舞踊の世界にいたおとこの子が、歌舞伎に魅了される。「なんてファンタジックなんだろうなって」

『裸の少年』市川右團次。気さくで死角なし。その表現力、また人生経験もあって紹介する店のどれもが美味しそう。 銀座のシチュー「エルベ」。店長(郄本倹)とのやりとりだけでグッとくる。出前ではよく頼んでいるが対面するのは初めて。店長の昂揚と、それ…

三宅健「人間って欲深い生き物なんだ」

三宅健と、Hey! Say! JUMPと、藤ヶ谷太輔ほか『ザテレビジョンCOLORS Vol.36 PINK』。2月発売。 時間のことは気にしない。うつくしいときは褪せない。その箱を開ければつねに旬。 三宅健は、率直な(速度感)だけでなく、本音(重量)もあり、それでいてマジ…

(この二人は5年間…ちゃんと“師弟”だったんだなぁ…)

穂積『僕のジョバンニ 3 (3) (フラワーコミックスアルファ)』。 5年間。それがどのようなかたちになるかが天才と凡人の差ではあるのかもしれない。鉄雄の5年間は、端から見れば《空白》である。 鉄雄は腕だめしにとちいさな大会にエントリーするが、それを聞…

背中の描写、多い。

折り合いなんてつけたら 鉄雄は その瞬間に チェリストとして死ぬ 穂積『僕のジョバンニ 2 (フラワーコミックスアルファ)』。小学6年生の鉄雄はチェロを弾いていた。その音をたよりに、海難事故から生還できた郁未(いくみ)。郁未は鉄雄からチェロを習うが…

《チェロよ叫べ》

天才と、凡人のことがえがかれているよと聞いて、読めばすぐにそのちがいがわからなくなるけど、とにかくどちらも孤独である。 孤独と孤独が触れあったところに物語が生まれた。それは共同体的な教訓ではない。掟ではないのだ。 穂積『僕のジョバンニ 1 (フ…

〈オナニーの片手間に聞くような話じゃなかった〉

登場人物が正しさを説くなんていうのは、物語ではない。 正しさを主張する、主張すればするほどオカシなことになっていく──ということであればそれは物語だけど。 これは愚痴か? なんでこんな前段を必要としているのだ? 『ビューティフル・エブリデイ 1 (…

初 八光亭春輔。あなたは?

『八光亭春輔 独演会』行く。ひとにおしえられて、普段はつけない都合をつけて伺った。 マイナーというか、レアというか。昔気質の落語家にはそういう方がいる。出番がすくないから腕がなまっているのかというと、そうではない。巧みなものだ。 芸人としてそ…

作間龍斗「『これをやって』と言われたことを好きになれることは僕の特技の一つで、嫌いなものもないんです」

『anan (アンアン)2018/07/04 No.2108[にゃんこ?LOVE]』、「ジャニーズJr.チャンネル」に合わせたグループ紹介企画のトリはHiHi Jets。 HiHi Jetsは、そやゆととして猪狩蒼弥と高橋優斗が互いの個性を生かしている。井上瑞稀と橋本涼は目ざすところがはっき…

〈クリスマスが来た〉

オトクニ『広告会社、男子寮のおかずくん(2) (クロフネコミックス)』。貴族的なところがなくてイマドキ。ひとはだいたいガヤである。 ゲストで登場するオネエキャラをいかついながらも清潔感ある美人に描いているのもイイとおもった。 営業とマーケの対立、…

「あたま わかる からだ わからない ごめんなさい」

原作・木原音瀬、漫画・羅川真里茂『吸血鬼と愉快な仲間たち 2 (花とゆめCOMICS)』。 アルベルトは若くして吸血鬼となり、孤立して、未熟な心のまま異郷の地にいる。このかなしさに胸を衝かれる。 暁(あきら)が優しい 痛い時 背中ずっと撫でてくれたし だ…

猪狩「いいね、お説教されてる気分というか。いい意味で。いいお説教されている」  松也「ぜんぜんよくないだろ!」

今回は、尾上松也による『裸の少年』。老舗のシチュー専門店。褐色のシチューをごはんにかけてたべて猪狩蒼弥が「あ、おいしい! めちゃめくちゃおいしい! これね、最高級のおかゆっす!」。 高橋優斗が「おかゆじゃねえよ! おまえマジ怒られるぞ、そろそ…

〈男は何故こんなに女を苦しめるのか〉

田中澄江『愛に生きる―旧約聖書の女たち (光文社文庫)』、「あとがき」に。 子供の頃から、私は、親戚や知り合いのおじさん、おばさんから、昔の話を聞くのが好きであった。 今はこんな風に生きているけれど、昔のひとはどんな生き方をしていたのかしらとよ…